美しいノーマルのイメージを残しつつ 、3.1Lユニットを搭載した通好みのスタイル|1975年式 日産 フェアレディZ Vol.1

水上自動車工業がリリースするフロントスポイラーは従来品よりも下方に20mm長く、アンダーパネル取り付けに最適な形状となっている。

       
オリジナルを求めるなら、徹底してオリジナルを。
チューンドカーを求めるなら、前人未到のチューニングを。
いつからか、旧車の世界は極端なステレオタイプになってしまっていないか?  
そこで、純正らしいルックスと乗りやすさを重視したメカを持つS30Zを紹介したい。
このバランスのよさこそ、実は世間が求めているベストなのではないか?
 
【1975年式 日産 フェアレディZ Vol.1】

 世の中、「純正の美しさはそのままに、現代の道路事情にも対応した乗りやすさ重視の性能が欲しい」と願うオーナーは少なからずいる。それは決して「どっちつかず」のあいまいな感情などではなく、どちらの良さも諦めきれないがゆえの、純粋な欲求なのだ。

 そんな新たなトレンドともいえる市場の欲求にストレートに回答してくれたのが、水上自動車工業の手による1975年式フェアレディZだ。純正オレンジのボディカラーに、同じく純正のフェンダーミラーと、ルックスはどこまでもS30Zならではのボディラインを再現している。そのため、フロントにオリジナルの大型スポイラーこそ備えるものの、リアスポイラー、オーバーフェンダー、Gノーズなど、あからさまにチューンドS30Zを印象付けるような装備は一切ない。ホイールは軽量化に主眼を置いているため、クラシカルなイメージとは一線を画すTE37V SLを履くが、カラーリングのせいもあってか、モダンすぎる印象は受けない。むしろ、「純正のようでいて、ひと味違う」このS30Zの真髄を無言で表しているかのようだ。ここで、製作にあたった水上自動車工業の水上公弘代表に考えを聞いてみた。

>>【画像27枚】乗りやすさが前提なので、ダブルコーンシンクロを採用したシフトフィールのいい71Cミッションを搭載。OS技研のツインプレートを使っているクラッチなど






ホイールはボルクレーシングTE37V SL、タイヤはアドバンネオバAD08R。サイズはフロントに15×7.5J、195/50R15とした。





リアのサイズは15×8Jと225/50R15で、プレスドグラファイトのホイールカラーは、このモデルだけに与えられた限定色だ。


1975年式 日産 フェアレディZ(A-S30)
SPECIFICATION 諸元
■ エクステリア:水上自動車工業製フロントスポイラー、熱線なしリアガラス
■ エンジン:L28型N42ブロック+N42ヘッド、カムカバーブローバイ横出し加工+黒結晶塗装、削り出しオイルフィラーキャップ、亀有エンジンワークス製鋳造ピストンφ89.25mm/軽量ビッグバルブ(INφ46mm/EX38mm)、イスキー製バルブスプリング、L14型用コンロッド軽量加工、LD28型用83mmクランク(ケツ切り加工)、オリジナルカム(作用角76度/カムリフト9.6mm)、ニスモ製オプションプーリーセット
■ 吸排気系:原田商会製インテークマニホールド、ソレックス44PHH×3、アルミ削り出しファンネル、水上自動車工業製6-2等長エキゾーストマニホールド/オールステンレスマフラーφ80mm
■ 点火系:亀有エンジンワークス製レース用デスビ&フルトラキット、MSD製ブラスターハイバイブレーションコイル/プラグコード
■ 冷却系:クロスフロータイプアルミラジエーター
■ 燃料系:オートサービスワタナベ製インジェクションポンプ
■ 操舵系:ガレージアルゴン製電動パワーステアリングキット
■ 駆動系:OS技研製ツインプレートクラッチ、71Cミッション、R200デフ(ファイナル4.1)、ニスモ製LSD
■ サスペンション:(F)水上自動車工業製車高調/ステアリングロッド/テンションロッド、エナジーサスペンション製ブッシュ
■ ブレーキ:S15シルビア用ブレーキマスター (F)MK63キャリパー (R)S13シルビア用ディスクブレーキ
■ インテリア:水上自動車工業製チェックマンレプリカステアリング&ボスセット、油圧/油温/水温計追加
■ タイヤ:ヨコハマ アドバンネオバAD08R (F)195/50R15 (R)225/50R15
■ ホイール:レイズ ボルクレーシングTE37V SL (F)15×7.5J (R)15×8J


【2】に続く

初出:ノスタルジックスピード 2018年5月号 vol.016
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1975年式 日産 フェアレディZ(全3記事)

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text : AKIO SATO/ 佐藤アキオ photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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