「エレガントストリームライン」大ヒットしたS13のもう一つの顔、コンバーチブル|1989年式 日産 シルビア コンバーチブル Vol.1

透明アクリルを用いたクリスタルグリルは、S13のアイコンとなるポイント。前期では「SILVIA」のロゴがご覧のサイズだが、後期ではひと回り小さくなった。

       
【風立ちぬオープンカー】
太陽を浴び、風を受け、四季を感じられるのはオープンカーの特権。
屋根を開ければ、いつもと違う情景や香り、音などに気付くはず。
普段は味わえない開放感や爽快感を肌で感じられるオープンカーはアナタを非日常の世界へ連れて行ってくれるだろう。

【1989年式 日産 シルビア コンバーチブル Vol.1】

 1988年にデビューした、5代目にあたるS13シルビア。国産車離れしたスタイリングはメーカー自ら「エレガントストリームライン」と呼び、そのスタイリッシュな容姿から女性ウケもよく、デートカーとして瞬く間に不動の地位をものにした。その一方で、手頃なボディサイズとターボエンジン、そしてFRレイアウトと新開発マルチリンクリアサスペンションというパッケージングにより、走り好きのユーザーからも人気を獲得。

 そしてデビューイヤーには、グッドデザイン大賞ならびに日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞。美しいスタイリングと、クルマとしての完成度の高さが証明されたのである。このように、デザイン性と走りの楽しさを合わせ持ち、多くの人々に受け入れられたS13だが、実はもうひとつの顔があった。それがオープンモデルだ。



>>【画像17枚】モダンフォルムシートと名付けられた、素材はクーペと同じツイード調ニットだが、オープンカーらしく撥水処理も施されているシートなど




スマートなオープンスタイリングが特徴のコンバーチブルだが、ソレを実現しているのが、このハードカバー。中央には「Autech JAPAN」のステッカーが貼られている。




ソフトトップを閉めると、このような状態。機構はアメリカASC社製で、カラーはブラックのみ。この個体はトップを一度張り替えており、良い状態をキープしている。




トランプのキング、クイーン、ジャックから採った「K’s/Q’s/J’s」というグレード名は、じつにユニーク。K’sのみターボで、そのほかは自然吸気。ちなみに「ダイヤセレクション」や「オールマイティ」といったグレードも追加された。



1989年式 日産 シルビア コンバーチブル(S13)
SPECIFICATION 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4470×1690×1290
ホイールベース(mm)  2475
トレッド前/後(mm) 1465 / 1460
車両重量(kg)  1250
エンジン型式  CA18DET型
エンジン種類 直列4気筒DOHC
総排気量(cc) 1809
ボア×ストローク(mm) 83.0×83.6
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps / rpm) 175 / 6400
最大トルク(kg-m / rpm) 23.0 / 4000
変速比 1速 3.027 / 2速 1.619 / 3速 1.000 / 4速 0.694 / 後退 2.272
最終減速比 4.363
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット / マルチリンク
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク / ディスク
タイヤ 185 / 70R14(前後とも)
発売当時価格 325.2万円

【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2015年 07月号 vol.30
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1989年式 日産 シルビア コンバーチブル(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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