富士精密工業からプリンス自動車工業に社名変更。その期間をまたいだ初代スカイライン。ALSIの生産台数と輸出台数|1959年式 プリンス スカイライン1500 Vol.2

トランスミッションは4速マニュアルで、コラムレバーは右側に装着される。スピードメーターはもちろんマイル表示となる。

       
【プリンスと日産】
スカイラインは日本のクルマ好きにとって、特別なブランドであることは間違いない。
1957年4月、富士精密工業のセダンとして初代プリンス・スカイラインがデビュー。
61年2月に社名をプリンス自動車工業に変更した後は、名実ともにプリンスの屋台骨を支える主力モデルとして進化していく。
2代目S50系時代の66年8月には、プリンスと日産自動車が合併。
今回は、日産スカイラインとして登場した3代目C10系までを「プリンスと日産」シリーズとして紹介していく。

【1959年式 プリンス スカイライン1500 Vol.2】

【1】から続く

 手元に貴重なデータがある。ALSIの生産台数に関するもので、富士精密工業から1961年2月にプリンス自動車工業に社名変更した当時の様子が垣間見える。1957年の年間生産台数は1832台で、翌1958年が4957台、さらに1959年が6075台と伸び、丸形4灯ヘッドライトを採用した2型にマイナーチェンジした60年には1万109台と、大台に到達している。

 一方、商社を通じて外国への輸出も開始され、最初の1958年は25台が海を渡った。翌1959年が633台、1960年が551台、1961年が563台と数を重ね、ALSIは約3000台が輸出されたようだ。北米向けでは左ハンドルが用意され、ボディの塗色なども現地で好まれる仕様になっていた。

>>【画像23枚】次のS50系にも引き継がれることとなった筆記体となるSkylineのエンブレムなど



インパネの中央には、個性的な書体のPrinceのエンブレムが装着される。国内仕様では、グローブボックスのふたに場所が移されていた。





購入時、内装のコンディションが非常に悪かったため、シートやトリムの柄を忠実に再現しながら、すべて製作し直した。白のビニールレザーを多用しているため、シート全体を透明のビニールで保護している。





リアシートも同様の状態。座るのがもったいないほど張りがあり、良好な車内空間を作っている。






ALSI系はグレードによって、ボディサイドのモールのデザインが異なっている。取材車両は北米仕様ということで、国内仕様では見られない形だった。



1959年式 プリンス スカイライン1500 (国内仕様 ALSID-1のデータ)
SPECIFICATION 諸元
全長 4280mm
全幅 1675mm
全高 1535mm
ホイールベース 2535mm
トレッド前/後 1340 / 1380mm
最低地上高 210mm
室内長 1920mm
室内幅 1460mm
室内高 1220mm
車両重量 1310kg
乗車定員 6名
最高速度 125km / h
登坂能力 22.8°
最小回転半径 5.4m
エンジン型式 GA30型
エンジン種類水冷直列4気筒 OHV
総排気量 1484cc
ボア×ストローク 75×84mm
圧縮比 7.5:1
最高出力 60ps / 4400rpm
最大トルク 10.75kg-m / 3200rpm
燃料供給装置 シングルキャブレター
燃料タンク容量 40L
変速機 前進4段 / 後退 1段
変速比 1速 5.19 / 2速 3.03 / 3速 1.59 / 4速 1.00 / 後退 5.97
最終減速比 4.625
ステアリング形式 ウオームアンドローラー式
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーン・コイル / ド・ディオンアクスル・リーフ
ブレーキ前後とも ドラム
タイヤ前後とも 6.40-14 4PR
発売当時価格 108万円



【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年6月号 Vol.181
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1959年式 プリンス スカイライン1500(全3記事)

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【1】から続く

photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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