磨くだけで新車当時のツヤがよみがえり、レースのシートカバーも変色なし。実走6900kmという奇跡の1台|1981年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 ターボ GT-E・X エクストラ Vol.2

トランク右に装着されたTURBO EXのグレードバッチ。

       
「奇跡の1台」のコーナー。今回は、1981年式のスカイラインHT2000ターボを紹介する。
80年代のクルマとなると、「ノスヒロ」らしくないと感じるかもしれないが、
このような若い年代であったとしても、奇跡の1台と呼ぶにふさわしいクルマにはめったにお目にかかれない。

【1981年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 ターボ GT-E・X エクストラ Vol.2】

【1】から続く

 この当時のトップグレードで、実走6900kmという奇跡の1台が発掘された。取材時の所有者は、岡山県玉野市にある「クラブスポーツ」の古泉晃代表で、詳しいことを聞いてみた。

「前のオーナーは、ほんのちょっと乗っただけで、倉庫にしまってあったんです。それを知っていた友人の紹介で手に入れました。ただし、放置してあったため、不動車でした。原因は、ガソリンを入れたまま長期間エンジンをかけていなかったためで、燃料系が全部ダメ。ガソリンタンク、燃料ポンプ、インジェクターのほか、シリンダーヘッドのバルブも固着していたためオーバーホールしました」と古泉さん。それ以外は、ボディの塗装なども磨くだけで新車当時のツヤがよみがえり、内装のコンディションも抜群だという。

「シートはもちろんなんですが、レースのシートカバーも変色していなくて、破れもありません。スペアタイヤの空気圧をチェックするモニターも正常です」と装備などを解説してくれた。



>>【画像21枚】エクストラ以外でも、GT-E・L、GT-E・X、GT-E・Sグレードで採用された、近未来的な1本スポークのステアリングなど



デジタルメーターが流行する中、あえて針式メーターを採用。右サイドに油圧、水温、左サイドに燃料、ブーストのバーグラフ式メーターを備え、その上に各種インジケーターが配置される。





センターコンソール上段にはエアコンと時計、下段にオーディオを装備。エクストラには、システムコンポとクラリオンダイバーシティFM受信システムが搭載された。





モール糸平織りシートがエクストラの標準装備。シート全体を上下に無段階で調整できるフリーシートセッターやランバーサポートなども装備している。


1981年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 ターボ GT-E・X エクストラ(E-HR30)
SPECIFICATION 諸元
全長 4595mm
全幅 1675mm
全高 1360mm
ホイールベース 2615mm
トレッド前/後 1410 / 1400mm
最低地上高 150mm
室内長 1805mm
室内幅 1370mm
室内高 1110mm
車両重量 1200kg
乗車定員 5名
登坂能力tanθ 0.45
最小回転半径 5.1m
エンジン型式 L20ET型
エンジン種類 水冷直列6気筒SOHCターボ
総排気量 1998cc
ボア×ストローク 78×69.7mm
圧縮比 7.6:1
最高出力 145ps / 5000rpm
最大トルク 21.0kg-m / 3200rpm
トランスミッション型式 ロックアップ機構付きニッサンマチック前進3段後退 1段
変速比 1速 2.842 / 2速 1.542 / 3速 1.000 / 後退 2.400
最終減速比 3.900
燃料タンク容量 65L
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール
サスペンション 前/後 ストラット / セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク / ディスク
タイヤ前後とも 185 / 70SR14
発売当時価格 211.8万円

【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年2月号 vol.179(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1981年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 ターボ GT-E・X エクストラ(全3記事)

関連記事: 奇跡の一台

関連記事: スカイライン


【1】から続く

photo:RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

RECOMMENDED

RELATED

RANKING