【1966年生まれのクルマたち】クラス初のFF! マイカー元年と呼ばれる1966年に発売されたスバル1000|1968年式 スバル 1000 デラックス

フロントグリル中央に六連星(むつらぼし)をデザインしたスバルのオーナメントが配置されている。

       
【1968年式 スバル 1000 デラックス Vol.1】

 のちにマイカー元年と呼ばれる1966年は、日本のモータリーゼーションが本格化した年。4月にダットサンサニー、5月に富士重工業のスバル1000、11月にトヨタカローラが発売され、一般家庭の自動車保有台数が飛躍的に伸びるきっかけを作った。

 これらのクルマは、どれもスタイリッシュな外観に1000〜1100ccのエンジンを搭載し、国民に手が届きやすい価格で販売されて大ヒットした。とりわけ売れたのが、巧みな販売戦略で大衆にアピールしたカローラとサニーで、この2台はエンジンをフロントに積んで後輪を駆動するFR方式を採用していた。

 これに対し、スバル1000は、エンジンをフロントに積んで前輪を駆動する、クラス初のFF方式を採用。当時、FF方式はステアリングが重くなり振動が伝わりやすいこと、直列エンジンを横置きにすると左右バランスが悪く転倒しやすくなる、という問題があり、各メーカーは当然のようにFR方式を採用していた。

>>【画像20枚】状態のいい純正パーツに交換された、細かなパーツ類や前後バンパーなど




シャープなフロントグリルとシンプルにまとめられたヘッドライトまわり。サイドフラッシャーランプがサイドビューを引き締める。
 




オーナーはスバル360のクラブ「全日本てんとう虫の会」に所属。各地のイベントや走行会に参加している。左は初代、右は最近のエンブレム。







Cピラーにはグレードを示すエンブレムがつく。




ボディカラーはエンジンルームの焼けていない色味を参考にし、当時の純正色サーフグレイでオールペイントしている。


1968年式 スバル 1000 デラックス(A12)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 3930mm
全幅 1480mm
全高 1390mm
ホイールベース 2420mm
トレッド前/後 1225 / 1210mm
最低地上高 180mm
車両重量 685kg
乗車定員 5名
最高速度 135km / h
登坂能力sinθ 0.355
最小回転半径 4.8m
エンジン型式 EA52型
エンジン種類 水冷水平対向4気筒OHV
総排気量 977cc
圧縮比 9.0:1
最高出力 55ps / 6000rpm
最大トルク 7.8kg-m / 3200rpm
変速機 前進4段 / 後退 1段 フルシンクロ
変速比 1速 3.540 / 2速 2.235 / 3速 1.524 / 4速 1.038 / 後退 4.100
最終減速比 4.375
燃料タンク容量 36L
ステアリング型式 ラック&ピニオン
サスペンション 前/後ウイッシュボーン式独立懸架 / トレーリングアーム式独立懸架
ブレーキ前/後 デュオ・サーボ(自動調整式) / リーディング・トレーリング(自動調整式)
タイヤ前後とも 6.15-13 4PR(扁平タイヤ)
発売当時価格 49.8万円

【2】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2016年12月号 Vol.178(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1968年式 スバル 1000 デラックス(全3記事)

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photo : EIJIRO AKIMOTO/秋元栄二郎

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