【1966年生まれのクルマたち】イギリス帰りのSは、バッテリー受け皿下のサビの処理に加え、不要なねじ穴はハンダという状態だった|1967年式 ホンダ S800

運転にのみ集中できるダッシュボード。カーナビなどの現代的な装備など不要だ。50年昔にタイムスリップしたかのような気分になれる。

       
【1967年式 ホンダ S800 Vol.2】

【1】から続く

 時代を超えて走り続けるSには、その台数だけドラマが存在する。ここに登場するホンダS800もまた、ドラマチックな運命をたどってきた。

 まずこのクルマは、日本で生産されてイギリスへと輸出されている。ヨーロッパはホンダが当時参戦していたF1レースの影響もあり、早くからホンダ車が輸出されていた。海外においてホンダの名を広く知らしめたのは、Sの功績も大きい。

 約20年前に日本へ逆輸入され、ホンダSシリーズを多く手がける埼玉県のガレージイワサによりレストアを受けることになる。

 その1台は、旧車では必ずといっていいほど発生しているバッテリー受け皿下のサビの処理に加え、不要なねじ穴はハンダという状態だったのだが、この復活劇にもドラマがあった。


>>【画像39枚】状態がひどく、部品取り車になるところだったイギリスから里帰りしたS800のようすなど



> 無駄のないシンプルなコックピット。シートは縦にステッチが入り、横滑りを防止するレーシングムードな仕様となっている。この年式だとヘッドレストは付かない。




> ダッシュボードのセンターにはチョークノブ、ワイパー、ライトスイッチなどが使いやすく、整然と並ぶ。






> ABCの各ペダルは間隔がタイトに作られており、このクルマがスポーツ走行向きに作られていることを意識する部分だ。






> バックル形状が独特なシートベルトはタカタ製。2点式で、べルトはシートのサイドポケットに収納できるようになっている。


1967年式 ホンダ S800(AS800)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 3335mm
全幅 1400mm
全高 1215mm
ホイールベース 2000mm
トレッド前/後 1162 / 1150mm
最低地上高 190mm
室内長 840mm
室内幅 1195mm
室内高 935mm
車両重量 725kg
乗車定員 2名
最高速度 160km / h
0→400m加速 16.9秒
登坂能力sinθ 0.363
最小回転半径 4.4m
エンジン型式 AS800E型
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC
総排気量 791cc
ボア×ストローク 60.0×70.0mm
圧縮比 9.2:1
最高出力 70ps / 8000rpm
最大トルク 6.7kg-m / 6000rpm
変速比1速 4.001 / 2速 2.400 / 3速 1.613 / 4速 1.143 / 後退 4.572
最終減速比 4.714
燃料タンク容量 30L
ステアリング形式 ラック&ピニオン式
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーン・コイル / 5リンクリジッド・コイル
ブレーキ前/後 ディスク / ドラム
タイヤ前後とも 6.15-13-4PR
発売当時価格 65.3万円


【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2016年12月号 Vol.178(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1967年式 ホンダ S800(全4記事)

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【1】から続く

photo:ISAO YATSUI/谷井 功

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