プロセスや手段にこだわりながら、結果や速さを追求する。小学生の頃にあこがれた、510ブルーバード|1971年式 ダットサン ブルーバード DX Vol.2

絶品L型サウンドの音源は ナカガワチューンのL18型改2L。

       
さまざまなL型チューンを手がけてきたプロショップナカガワ 中川英明代表。技術力を鍛えるステージとするゼロヨン等のレースには、チューニンナップしたマシンで、自らがステアリングを握って参加する。国産から輸入車、高度なものからライトなメニューまで、不得意なものはない。

【1971年式 ダットサン ブルーバード DX Vol.2】

【1】から続く

「目的さえ達成できれば、あとはどうでも構わない。そういう考え方は、自分は好きじゃありません。プロセスや手法にもきっちりとこだわって、はじめていい仕事ができるんですよ。で、もしもプロショップ ナカガワの中川英明代表がそういう志向の人でなかったら、クルマづくりをお願いすることはたぶんなかった」。

 そう話すオーナーがこの510ブルーバードを手に入れたのは取材の3年前、きっかけはすこし大きめの病気したことだった。病床で、30歳の頃からガムシャラに働いてきた人生を振り返り、若い頃に夢中になったクルマをもう一度楽しもうと思ったらしい。510ブルーバードを選んだのは、小学生の頃にあこがれたクルマだったからだ。
「昔、叔父が乗っていたんです、SSSの2ドアクーペに。田舎だから、ああいうカタチのクルマを目にすることがほとんどなくて、本当に格好よく見えました」。

>>【画像34枚】ステアリングはオーナーが大好きなダッツンコンペ。Defiの1万1000rpmモデルのタコメーターなど



キャブレターはソレックス44PHHの2連装。サウンドにこだわるオーナーが「絶対にコレ」と決めていた仕様だ。





エンジンはナカガワチューンドのL18型改。ボアアップとメカニカルチューンで、リッターあたり100psを目指したスペック。高回転域に入るとサウンドの主役がキャブからエンジンにシフトする。





エキゾーストマニホールドは亀有の4-1タイプだ。遮熱板でキャブがきっちり保護されている。熱した空気の吸い込みも抑える。





見た目はノーマル、中身はHOT そんな通好みのスタイルに!  



1971年式 ダットサン ブルーバード DX(P510
SPECIFICATIONS 諸元
■ エクステリア:SSSクーペ用グリル/ミラー/テール
■ エンジン:L18型改2L仕様(ボアφ89mm×ストローク78mm、圧縮比11.8:1)、亀有製鍛造φ89mmピストン/I断面クロモリコンロッド、L18型純正クランク(1本キー加工、バランス取り)、亀有製76Aカム/バルブスプリング
■ 点火系:ワコーテクニカルCDI(LA700パワーエキスパンダー)
■ 吸気系:ソレックス44PHH
■ 排気系:亀有製4-1タコ足、More Driveオリジナルφ60mmステンレスマフラー
■ 冷却系:アルミワイド2層ラジエーター
■ 燃料系:ニスモ製電磁ポンプ
■ 駆動系:HR30用71Bミッション(5速)
■ 足回り:(F)AE86ストラット流用、ブリッツ製車高調(8kg/mm) (R)ブリッツ製ダンパー、車高調整式スプリング(6.5kg/mm)、More Driveオリジナルウレタンブッシュ/ワンオフロールセンターアダプター
■ ブレーキ:(F)AE86用ブレーキキャリパー、グラン製パッド、AE86用スリットローター
■ タイヤ:ファルケンZIEX (F)165/60R14 (R)185/55R14
■ ホイール:RSワタナベ (F)14×6.5J -3.5 (R)14×7.5J +14.5
■ 内装:Defi タコメーター/追加メーター(油温、油圧、水温)

【3】に続く

初出:ノスタルジックスピード 2018年2月号 vol.015(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 ダットサン ブルーバード DX(全4記事)

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【1】から続く

text : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー)photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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