タービン交換仕様しか所有したことがないオーナーがメカチューンに乗り換えた理由|1974年式 日産 スカイラインHT 2000 GT Vol.1

親子2代の手が入ったL型を積み込み、約20年ぶりの復活を遂げたケンメリ。

       
数多くのバリエーションが存在するL型チューン。なかでも王道といえるのがL28型改3.1L仕様である。ストリートで速いといわれたマシンには、大抵この排気量アップが施されていた。今も昔も「L28型改3.1」は変わらない輝きを放ち続けている。親子2代で作り上げた真っ赤なR仕様のケンメリも例外ではない。当然キャブレーターはソレックス50PHHだ。細部にまでこだわりを凝縮したその仕上がりに注目したい。

【1974年式 日産 スカイラインHT 2000 GT Vol.1】

「免許を取ってからタービン交換仕様しか所有したことはありませんでした。それもFRばかり。とにかくスカイラインが好きでR32からR34まで乗り継ぎました」。そう振り返るのは、美しく磨き上げられたGT‐R仕様のケンメリを所有するオーナー。

 初めて所有したクルマは、高校生の時に父が買ってきたドラッグ仕様のS14シルビア。2.2L+T88タービンで約600psを発揮するフルチューンだった。当時はまだゼロヨンも盛り上がっていて、深夜のストリートに通い、ライバルとのバトルに明け暮れた。

 それから80スープラでゼロヨン10秒7を刻むなど、ターボチューンの魅力に取りつかれていった彼。なぜ絶対的なハンデがあるメカチューンのケンメリに乗り換えたのか?  

>>【画像24枚】 L型フルチューンのお約束ともいえるソレックス50PHHも当時モノ。燃料配管は新たに引き直されており、エンジンルームは美しい仕上がり。プライベートで行なったエンジン製作など



外装はR仕様。グリルやテールなど当時の純正部品を使って仕上げられる。リスタードのチンスポは取り付け角度を自分好みに変更した。ボディ色はアウディ純正のレッド。


1974年式 日産 スカイラインHT 2000 GT(KGC110)
SPECIFICATIONS 諸元
■ エクステリア:リスタード製フロントスポイラー改、GT-R純正グリル/白ガラス/テールランプ/ガーニッシュ/エンブレム/前後オーバーフェンダー、全塗装(アウディ純正レッド)、ボディフルレストア
■ エンジン:L28型改3.1L、圧縮比12.5:1、柿本レーシング製ハイカム (80度 9mmリフト)、亀有製軽量ビックバルブ(INφ45mm、EXφ36.5mm)、イスキー製軽量バルブスプリング、ワイセコ製鍛造ピストン、L14型コンロッド(鏡面仕上げ)、LDクランク(ウエイト軽量加工)、ポート研磨
■ 点火系:亀有製デスビ/フルトランジスター、MDI
■ 燃料系:ASW大容量燃料ポンプ
■ 吸排気系:ソレックス50PHH、柿本レーシング製φ48mmタコ足、今野オリジナルマフラー
■ 冷却系:純正コア増しラジエーター、RB26型純正オイルクーラー
■ 駆動系:OS技研製ツインプレートクラッチ、ファイナル3.7
■ 足回り:(F)S14用フルタップ車高調加工流用 (R)ワゴンR用車高調加工流用、KYBハコスカ用リアダンパー流用、セミトレーリングアーム取り付け位置変更、亀有製リアメンバーカラー
■ ブレーキ:(F)MK63キャリパー、φ280mmベンチレーテッドローター、ケンメリGT-R純正マスターバッグ、S31Z用純正マスターシリンダー
■ タイヤ:(F)ブリヂストン・ポテンザRE-71R
205/50R15 (R)ポテンザRE-01R 225/50R15
■ ホイール:RSワタナベ Rタイプ (F)15×9J -13
(R)15×10J -25
■ インテリア:ダッツンバケットシート、永井電子機器製ウルトラ・タコメーター、240km/hスピードメーター、ロンサムカーボーイ・カーオーディオ、トラスト製追加メーター(油圧、油温、水温、燃圧)

【2】に続く

初出:ノスタルジックスピード 2018年2月号 vol.015(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1974年式 日産 スカイラインHT 2000 GT(全3記事)

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text : DAISUKE ISHIKAWA/石川大輔 photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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