「マン島TT‐F1」レースに優勝したSMCドカティとは似ても似つかぬ記念モデル 〜2014〜|1984年式 ドカティ 900 MHR Vol.1

本来はフルカウル仕様だが、FRP製のハーフカウル、シートカウルに変更。前後のホイールはマービック製マグの18インチ。フロントブレーキは、ブレンボ製の砂型レーシングキャリパーを装着する。

       
【1984年式 ドカティ 900 MHR Vol.1】

 1978年に開催された「マン島TT‐F1」レースに、引退していた伝説のライダー、マイク・ヘイルウッドが復帰。英国のSMC(スポーツ・モーター・サイクルズ)がチューンしたNCRドカティを駆り優勝を遂げた。

 この優勝を記念して1979年にロンドン・ショーで発表されたのが、マイク・ヘイルウッド・レプリカと命名された「900MHR」だ。ショーモデルは、NCRレーサーにならったワンピースカウルをまとい、カラーリングもレッド×ホワイト×グリーンを踏襲。ただし、ショーモデルの燃料タンクは900SS用のスチールタンクの上に、FRP製カバーが被せられていた。

 SMCドカティは、NCR製市販レーサーがベースであり、MHRとは似て非なるものであった。ところが、MHRは世界中で爆発的なセールスを記録し、1979年から1984年までフラッグシップモデルとして生産され、900MHRの総生産台数は6058台となった。

▶▶▶【画像9枚】燃料残量確認のためのクリアストライプをペイントしたビーター製のアルミタンクなど





純正はタンデム仕様だが、シートカウルをシングルシートに変更し、前後のフェンダーはカーボン製を装着。フロントフォークはフォルセラ・イタリアのφ38mm。





日本電装製のメーターは純正。ブレーキマスターはホンダRC30用を、クラッチマスターはドカティ851用を流用。ハンドル&スロットルはトマゼリ製に変更。



【2】に続く



1984年式 ドカティ 900 MHR
SPECIFICATIONS
全長×全幅(mm) 2220×699
ホイールベース(mm) 1499
シート高(mm) 800
エンジン型式・種類 DM860・空冷90度
L型2気筒SOHC
デスモドローミック2バルブ
総排気量(cc) 864
ボア×ストローク(mm) 86.0×74.4
圧縮比 9.3:1
最高出力(ps/rpm) 72/7800
最大トルク(kg-m) 8.8/5800
燃料供給装置 デロルトPHM40
クラッチ型式 乾式多板
ミッション 常時噛合式5速リターン
フロントサスペンション φ38mm マルゾッキ
リアサスペンション マルゾッキ デュアルショック
5段階調整式
ブレーキ前 280mmダブルディスク×
2ピストンキャリパー
ブレーキ後 280mmディスク×
2ピストンキャリパー
タイヤ前/後 100/90V18/
120/90V18
燃料タンク容量(L) 18
乾燥重量(kg) 198
乗車定員 2名
発売当時価格 152万円


初出:ハチマルヒーロー 2014年 08月号 vol.26(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1984年式 ドカティ 900 MHR(全2記事)

関連記事: ハチマルMOTO

関連記事: ドカティ

photo : TAKASHI AKAMATSU/赤松 孝

RECOMMENDED

RELATED

RANKING