伝統のフォルムを受け継ぎながら機構的に大きく変化した3代目Z 〜2014〜|1987年式 日産 フェアレディZ 2シーター 200ZR-II Vol.1

ライトブルーメタリックのボディカラーは非常にレア。なお、前期では2トーンカラーも設定されていたが、後期では単色のみとなった。

       
【1987年式 日産 フェアレディZ 2シーター 200ZR-II Vol.1】

 日本国内はもとより、世界各国で長らく愛されているフェアレディZ。1959年に登場したダットサン・スポーツを始祖とし、1969年には究極を意味する「Z」が与えられたファストバックボディのS30がデビュー。欧州のスポーツカーに引けを取らない優れた走行性能を備えながら手ごろな価格設定を実現し、北米でも大ヒットを記録したのである。その後、フェアレディZの名を世界に知らしめたS30の後を継いで登場したのが、1978年デビューのS130。ロングノーズ&ショートデッキ、直列6気筒エンジンなどを受け継ぎながら、よりアメリカンスタイルに進化。Tバールーフの設定やターボエンジン搭載など、話題性も高かった。
 そして、3世代目となるZ31のデビューは多くの人に衝撃を与えた。全体的なプロポーションこそ歴代フェアレディZを踏襲するものの、空力性能を追求した直線基調のボディラインとなり、個性的なセミリトラクタブルの“パラレルライジングヘッドランプ”を採用。さらに、ボディサイズを小型化することで運動性能の向上を狙ったのだ。

 このようなルックスの変化にも衝撃を受けたが、もっともセンセーショナルだったのがパワーユニット。それまでの直列6気筒エンジンを廃止し、V型エンジンを搭載したのである。3LのVG30ET型と2LのVG20ET型という2種で、どちらもSOHCながらターボチャージャーを装備し、3Lは当時国産車最高の230psを実現した。また、V型エンジンの恩恵は圧倒的なパワーだけではなく、エンジン自体の前後長が短いおかげでパッケージングにゆとりが生まれ、前述のダウンサイジングに成功。つまり、運動性能の向上を実現するためにも、V型エンジンは必要不可欠だったというわけだ。

▶▶▶【画像18枚】Z31のアイコンとなる、消灯時はボディとフラットになっているが、ライトを点灯するとせり上がるパラレルライジングヘッドランプなど





フロントスポイラーはTBO製。フォグランプは全グレードに標準装備。エンジン上部に設置されたインタークーラーに、フレッシュなエアを取り込むインテークダクト。後期になってサイズが小振りになった。




エンジン上部に設置されたインタークーラーに、フレッシュなエアを取り込むインテークダクト。後期になってサイズが小振りになった。


1987年式 日産 フェアレディZ 2シーター 200ZR-II(Z31)
Specification 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4405×1690×1295
ホイールベース(mm)  2320
トレッド前/後(mm) 1415/1435
車両重量(kg)  1360
エンジン型式  RB20DET型
エンジン種類 水冷直列6気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 1998
ボア×ストローク(mm) 78.0×69.7
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps/rpm) 180/6400
最大トルク(kg-m/rpm) 23.0/3600
変速比 1速 3.321 / 2速 1.902 / 3速 1.308 / 4速 1.000 / 5速 0.838 後退 3.382
最終減速比 4.375
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 215/60R15(前後とも)
発売当時価格 299.2万円

【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2014年 08月号 vol.26(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1987年式 日産 フェアレディZ 2シーター 200ZR-II(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : KIYOSHI NISHINO/西野 キヨシ

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