花冠のバッジのグリルの奥に押し込んだ2T-G型エンジン! クーペボディのスポーツモデル|1973年式 トヨタ カローラ レビン 1600 Vol.1

TE27レビン&トレノがデビューしたのは1972年3月。5カ月後の同年8月にマイナーチェンジを受けて、取材車両と同じ、後期型のフロントフェイス&テールレンズに変わった。ボディカラーはインディアナポリスオリーブで、TE27の人気色となっている。年式によって新車時に選択できるボディカラーの種類が異なっていた。

       
【1973年式 トヨタ カローラ レビン 1600 Vol.1】

 ヨーロッパには、ボンネットの中に高性能なパワーユニットを搭載して、速いクルマに仕立てる手法をとる自動車メーカーが多い。日本でも1960年代半ばから、キャブレターの数を増やして高性能化を図ったクルマが見られるようになってくる。その多くはSUツインキャブだったし、エンジンもOHVとSOHCがほとんどだった。

 だが、トヨタは違う。2本のカムシャフトを用いて吸気バルブと排気バルブを開閉するDOHCエンジンを、ヤマハ発動機と組んで開発し、これを積極的に展開したのである。レーシングエンジンと同じように高回転を得意とし、プレミアム感も飛び抜けて高い。トヨタを代表する直列4気筒のDOHCユニットが、70年秋にセリカ1600GTに積まれてデビューした2T‐G型だ。セリカに続いてカリーナ1600GTにも採用され、多くの人が名機とたたえるようになった。

 この高性能なDOHCエンジンを、軽量、コンパクトサイズのカローラと兄弟車として登場したスプリンターのクーペボディに押し込んだのが、TE27カローラレビンとスプリンタートレノである。1972年3月、カローラとスプリンターのホッテストバージョンとしてカタログに加えられた。

▶▶▶【画像21枚】フロントグリル中央の鎮座するカローラのシンボルである花冠のバッジなど



トランクリッド中央には、誇らしげにTOYOTAの文字が付く。




左右のフェンダーには車名とレビンのエンブレム。





トランクリッドに付く欧文筆記体のLevinエンブレム。


1973年式 トヨタ カローラ レビン 1600(TE27-MQ)
Specification 諸元
全長 3955mm
全幅 1595mm
全高 1335mm
ホイールベース 2335mm
トレッド前/後 1270 / 1295mm
車両重量 855kg
乗車定員 5名
最高速度 190km / h
登坂能力 tanθ0.71
最小回転半径 4.8m
エンジン型式 2T-G型
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC
総排気量 1588cc
圧縮比 9.8:1
最高出力 115ps / 6400rpm
最大トルク 14.5kg-m / 5200rpm
変速機 前進5段 / 後退 1段 前進フルシンクロメッシュ
変速比 1速 3.587 / 2速 2.022 / 3速 1.384 / 4速 1.000 / 5速 0.861 / 後退 3.484
最終減速比 4.300
燃料タンク容量 43L
ステアリング形式 リサーキュレーティング・ボール式
サスペンション 前/後マクファーソン・ストラット式コイルスプリング / 非対称半楕円リーフスプリング
ブレーキ 前/後ディスク / リーディングトレーリング式
タイヤ 前後とも175 / 70HR13
発売当時価格 84.1万円


【2】【3】に続く

初出:Nostalgic Hero 2016年 4月号 vol.174(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1973年式 トヨタ カローラ レビン 1600(全3記事)

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text : HIDEAKI KATAOKA/片岡英明 photo:ISAO YATSUI/谷井 功

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