気兼ねなく乗るならこのL24型のストロークはベストバランス|1973年式 日産 フェアレディ 240ZG Vol.2

専用ノーズとオーバーフェンダーの迫力、240ZG。

       
【1973年式 日産 フェアレディ 240ZG Vol.2】

【1】から続く

 取材車両は、外観に当時のワークス風4本スポークアルミホイールを装着。キャブレターは純正のSUツインに替え、ソレックス44PHHを3連装するなど、細かなモディファイは加えられているものの、240ZGのイメージカラーでもあるレーシングマルーンも含めてオリジナル度が高い個体だ。

 チューニングベースとしても人気のS30Z。最高速をねらうならL28ブロックにロングストローククランクの組み合わせがいいのだろうが、気兼ねなく乗るならこのL24型のストロークはベストバランスだろうとオーナーは語る。

 取材時、オーナーの運転で助手席に乗せていただいたが、神経質なところなく力強い走りを見せ、それでいてひとたびアクセルを踏み込めば必要十分の加速感がある快適な仕様となっていた。仲間とのツーリングにも不安なく乗り出せる、大人の雰囲気を持った240ZGだった。

▶▶▶【画像21枚】リムにビードストッパー用の4本のボルト、スポーク部には日産マーク型の模様がある、ゴッティマグワークスホイールのアルミ製レプリカなど

 家に帰るとそのヨンメリのリアガラスに貼ってあった「Mary′s」のステッカーから、L型エンジンを得意とする東京都西多摩郡瑞穂町のショップ、メリーズを探し出し、このヨンメリを購入。ボロボロだったボディ下の板金やオールペイント、カスタムなどを行って6年間大切に乗り続けている。

「数年前まで遠くから見ているだけだった旧車を所有することができ、とてもうれしいです。たくさんの方と出会い、話をするのが楽しくて、ミーティングにも参加するようになりました」

 あこがれだったヨンメリの所有を実現し、愛車とともに過ごす旧車ライフを心から楽しんでいるオーナーなのだ。



メーターは右からスピード、タコメーター。最高速は240km/hまで刻まれる。





ダッシュボード中央に並ぶ3連メーターは、本来右から水温、油圧、電流、燃料、時計だが、このクルマは時計を油温計に変更している。





ヘッドレスト一体型で、セミバケットタイプの純正シート。腰の部分には通風口が開けられている。交換されてオリジナルが紛失していることが多いだけに、よくぞ残っていたものだ。



1973年式 日産 フェアレディ 240ZG(HS30H)
Specification 諸元
全長 4305mm
全幅 1690mm
全高 1285mm
ホイールベース 2305mm
トレッド前/後 1355/1345mm
最低地上高 160mm
車両重量 1010kg
乗車定員 2名
最高速度 210km/h
登坂能力tanθ 0.467
最小回転半径 4.8m
エンジン型式 L24型
エンジン種類 水冷直列6気筒SOHC
総排気量 2393cc
ボア×ストローク 83×73.7mm
圧縮比 8.8:1
最高出力 150ps/5600rpm
最大トルク 21.0kg-m/4800rpm
変速機 O.D付前進5段・後退1段フルシンクロメッシュ式
変速比 1速 2.906 / 2速 1.902 / 3速 1.308 / 4速 1.000 / 5速 0.864 後退 3.382
最終減速比 3.900
燃料タンク容量 60L
ステアリング形式 ラックアンドピニオン式
サスペンション 前後とも独立懸架ストラット式コイルスプリング
ブレーキ前/後 ディスク式/リーディングトレーリング式
タイヤ 前後とも175HR-14
発売当時価格 150万円


【3】に続く

初出:Nostalgic Hero 2016年 4月号 vol.174(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1973年式 日産 フェアレディ 240ZG(全3記事)

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【1】から続く

photo : HIDENOBU TANAKA/田中秀宣

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