それほんとなの? イタリア北部ピエモンテ州の方言が車名の由来!?|1974年式 ランボルギーニ カウンタック LP400 Vol.1

六角形のリフレクターにウインカーやスモールランプが組み込まれた、複合型テールランプ。「Countach(クンタッチ→カウンタック)」のバッジも見える。

       
かつて、日本の子供たちを魅了したスーパーカーブーム。
中でもトップスターとしてフェラーリBBと人気を分けたランボルギーニ・カウンタックLP400。
その実像は、極めてシリアスなスーパースポーツだった。

【輸入車版懐古的勇士 1974年式 ランボルギーニ カウンタック LP400 Vol.1】

 今から約40年前、日本国内の少年たちの世界を席巻したスーパーカーブーム。そのトップスターの地位にあったのが、ランボルギーニ・カウンタックである。だがこのクルマの真価は、いわゆる「スーパーカー的」なエンターテイメント性とは対極にあるというべきだろう。ならばその実態はと言えば、パオロ・スタンツァーニという稀代の理想主義的インジェニェーレ(エンジニア)が、猛進的に実現してしまった極めてピュアなスポーツカーなのだ。

 イタリア北部ピエモンテ州の方言で、かつては驚愕した際の感嘆詞として使われていた「COUNTACH(クンタッチ)! 」が車名となったこのクルマ。発表当時に英国メディアを介して日本に紹介されたことから「カウンタック」という英語読みで定着してしまった。ここでも日本ではなじみの深い「カウンタック」表記で解説を続けさせていただくことにしよう。

 トピックに事欠かないこのクルマながら、最もアイコニックな要素はボディデザインだろう。1960年代中盤のカロッツェリア・ベルトーネにおいて、ジョルジェット・ジウジアーロのあとを継ぐかたちでチーフスタイリストに就任した鬼才マルチェッロ・ガンディーニが手掛けたもの。1968年発表のコンセプトカー「アルファロメオ33カラーボ」で彼自身が提唱した、極端なウェッジシェイプと上方に跳ね上げて開くシザースドアに代表される前衛的スタイルを、実用化させるための取り組みの成果であった。


▶▶▶【画像12枚】コンビネーションランプと4灯式のリトラクタブルヘッドライトが据えられるフロントフェンダーなど





カンパニョーロ社製軽合金ホイールに組み合わされるタイヤサイズは、前後とも205/70VR14という少々心許ないもの。時代を物語る部位といえよう。




試作車LP500では、よりスムーズな形状とされていたエアインテークは、冷却性能向上のため、大幅に大型化されるに至った。





最初期型のLP400はオーバーフェンダーやエアロパーツの備えもなく、ガンディーニの目指したシンプルなウェッジシェイプが明快に見られる。

1974年式 ランボルギーニ カウンタック LP400
Specification 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4140×1890×1070
ホイールベース(mm) 2450
車両重量(kg) 1065
エンジン種類 水冷60°V型12気筒DOHC24バルブ
総排気量(cc) 3929
ボア×ストローク(mm) 82.0×62.0
最高出力(ps/rpm) 375/8000
最大トルク(kg-m/rpm) 36.8/5500
変速機 5速MT
ステアリング形式 ラック&ピニオン
サスペンション ダブルウィッシュボーン+コイル(前後とも)
ブレーキ形式 ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ 前205/70VR14 後215/70VR14
新車時価格 1950万円

【2】【3】【4】に続く

初出:Nostalgic Hero 2016年 2月号 vol.173(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1974年式 ランボルギーニ カウンタック LP400(全4記事)

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Text : HIROMI TAKEDA/武田公実 Photo : MOTOSUKE FUJII/藤井元輔

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