まだまだ現役で駆け抜けられる!|レアな4気筒エンジンを搭載したショートノーズのハコスカ Vol.3

       
結局、乗っていたスカイラインの車検は切り、DR30スカイラインの50thアニバーサリーバージョンなどを経て、現行のクルマを乗り継いだ。
 その間、3代目スカイラインは庭の隅に放置。そして、約10年の月日を経て復活することになったという。

「また乗ろうと決心して、かぶせてあったカバーを外すと、竹がすごい勢いで生えていました。エンジンルームは隙間なくびっしりでしたよ。近所の整備工場の方に頼んで、竹を切り、クルマを出し、整備をお願いしました」

復活したショートノーズスカイラインはファミリーカーから永井さんのプライベートカーとなり、他の家族が乗ることはなくなってしまった。クーラーが利かないうえに、MTということで家族から敬遠されているという。

しかしながら、今でも奥さまとは県内各地をドライブして楽しんでいるという永井さん。天気のいい日には、仕事の打ち合わせに、このスカイラインで出かけることもある。オーナーもクルマもまだまだ現役で駆けているのだ。

訪れた仕事先でもスカイラインは話題のクルマになることが多い。自営業を営む永井さんにとっては、自身を覚えてもらうツールとなっている。
 
のんびりではあるが、アクセルを踏み込むとよみがえる心地よいフィーリングは、永井さんを楽しませている。



●72年式 日産 スカイライン2ドアハードトップ1500デラックス (KC10T)
●全長4135mm●全幅1595mm●全高1390mm●ホイールベース2420mm●トレッド前/後1325/1320mm●最低地上高175mm●車両重量945kg●乗車定員5名●最高速度160km/h●登坂能力tanθ0.55●最小回転半径4.9m●エンジン型式G15型●エンジン種類水冷直列4気筒SOHC●総排気量1483cc●ボア×ストローク82.0×70.2mm●圧縮比8.5:1●最高出力95ps/6000rpm●最大トルク13.0kg-m/4000rpm●変速機前進4段/後退1段 オールシンクロメッシュ●変速比1速3.657/2速2.177/3速1.419/4速1.000/後退3.638●最終減速比4.111●燃料タンク容量50ℓ●ステアリング形式リサーキュレーティングボール式●サスペンション前/後ストラット式独立懸架/リーフスプリング●ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング●タイヤ前後とも5.60-13-4PR●発売当時価格68.7万円


1.5Lモデルはフロアシフトとコラムシフトのモデルがあり、スポーティーなタイプにはフロアシフトが採用された。シフトブーツはラバー製に交換されている。


水温計&燃料計、スピードメーター、タコメーター、コンビネーション警告灯が並ぶ。ドライバーの視線に飛び込むように配置された。


助手席前方につり下げ式クーラーを装備するが、壊れてしまっているので、夏は乗らなくなったという。


ヘッドレスト付きリクライニングシートを標準装備。シート生地はブラックの発泡ビニールだったが、ボディカラーに合わせたブルーのシートカバーがかけられている。


リアシートにも同じようにシートカバーが取り付けられた。クルマを大切にしてきたオーナーらしい一面。


掲載:ノスタルジックヒーロー 2017年6月号 Vol.181(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

photo : Daijio Kori/郡大二郎 text : Keishi Watanabe/渡辺圭史

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