赤文字の「GT」のエンブレム! FRセダン最後に生まれたホットバージョン|1980年式 トヨタ カローラ セダン 1600 GT Vol.1

GTでは、前後とも衝撃吸収ウレタンバンパーが標準装備となり、全長は175mm長い。ウインカーはボディに装着されているため、かなり奥まった位置となる。

       
【1980年式 トヨタ カローラ セダン 1600 GT Vol.1】

 トヨタを代表する小型大衆車が、1966年に登場した初代E10系カローラ。それから13年後となる1979年3月、4代目となるE70系カローラが発表された。

 初代から続くコンセプトを踏襲しつつも、E70系ではクルマの原点となるセダンスタイルをベースに、流行に左右されない新鮮なフォルムを目指した。そこで、最大限のリビングスペースとラゲージスペースを確保する3BOXを、無駄な飾りを排した直線的なウエッジドシェイプを基調とした、面構成による近代的なスタイルで実現。また、初の丸形4灯ライトが採用されたフロント回りのデザインは、歴代カローラの中でも個性が際立つモデルとなった。しかも、このE70系が最後のFR駆動のカローラとなる。

トランクリッドの右側には「TOYOTA」と「COROLLA」、左側には赤文字の「GT」と「DOHC」が装着されるエンブレムなど【写真22枚】

 搭載されるエンジンは水冷直列4気筒で、1.3Lの4K‐U型、1.5Lの3A‐U型、そしてレビンに搭載され数々のレースで鍛え上げられたトヨタの自信作、1.6LDOHCの2T‐GEU型をセダンのGTに搭載。それまでのセダンでは見られなかったヒップアップ型のスタイルや空力を計算した前面投影形状、ワイドトレッド化、リアスタビライザーの採用などにより、セダンの走りを変えるセダンとなった。

 ただし、カローラシリーズとしては、スポーティーなスタイルのクーペのレビンやハードトップの人気が高い。セダンやリフトバックのGTは、発売当時から通好みのグレードだったようで、現在ではかなりの希少車となっている。



FRセダン最後に生まれたホットバージョン。




新品のように見える純正スチールホイールは、前オーナーが保管していたものを、レストアの際に装着。セリカやレビン/トレノと同じデザインで、カローラではGT専用。また、ブレーキも、GTは前後にディスクブレーキが採用されている。





ボディサイドのステッカーは純正が入手できないため、純正同様にひと文字ずつ切り出すタイプで製作。




1980年式 トヨタ カローラ セダン 1600 GT(TE71)
SPECIFICATION 諸元
全長 4225mm
全幅 1610mm
全高 1385mm
ホイールベース 2400mm
トレッド前/後 1340/1345mm
最低地上高 150mm
室内長 1710mm
室内幅 1330mm
室内高 1130mm
車両重量 955kg
乗車定員 5名
登坂能力 tanθ0.61
最小回転半径 4.7m
エンジン型式 2T-GEU型
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC
総排気量 1588cc
ボア×ストローク 85.0×70.0mm
圧縮比 8.4:1
最高出力 115ps/6000rpm
最大トルク 15.0kg-m/4800rpm
燃料供給装置 EFI
変速比 1速 3.587/2速 2.022/3速 1.384/4速 1.000/5速 0.861/後退 3.484
最終減速比 4.100(4.300)
燃料タンク容量 50L
ステアリング形式 ボールナット式(16.1)
サスペンション前/後 ストラット式コイルスプリング/ラテラルロッド付4リンクコイルスプリング
ブレーキ前後とも ディスク
ホイール 13×5.0J
タイヤ前後とも 175/70HR13
発売当時価格 128.5万円


【2】【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 12月号 vol.172(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1980年式 トヨタ カローラ セダン 1600 GT(全3記事)

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photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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