55年目も自走でクラシックカーイベントへ|幻の名車 プリンス スカイラインスポーツ パート3

       
取材車両のオーナーである石川勝三さんは、貴重なクルマながら、全国各地のクラシックカーイベントに何度も自走で出掛けている。そうした状況でも変わらぬコンディションを維持しているのは、素晴らしいのひと言だ。

 手に入れて25年ほどたつが、それ以前はスカイラインスポーツに特別思い入れがあったわけではないという。
「新車で7thを買って、その後おいがS54AのGT-B仕様を探してきてからかな、スカイラインが気になり始めたのは。3世代あるからシリーズ全部を揃えてやろうと思いました」

 自ら「病気になった」というほど、スカイラインにはまってしまった石川さん。だが数も少ないスカイラインスポーツは、きっと手に入らないだろうと思っていたという。しかしクルマと人の縁とは不思議なもので、以前別のクルマのレストアの話をしただけのショップから突然連絡があり、購入へと導かれていったのだ。

「日本が誇るクルマをずっと残したい」その思いは間違いなく引き継がれる。


1962年式 プリンス スカイラインスポーツ・クーペ(R21A-1)
●全長4650mm●全幅1695mm●全高1385mm●ホイールベース2535mm●トレッド前/後1338/1374mm●最低地上高210mm●室内長1680mm●室内幅1100mm●室内高1315mm●車両重量1350kg●乗車定員5名●最高速度150km/h●登坂能力sinθ0.48●最小回転半径5.4m●エンジン型式G2型●エンジン種類水冷直列4気筒OHV●総排気量1862cc●ボア×ストローク84×84mm●圧縮比8.5:1●最高出力94ps/4800rpm●最大トルク15.6kg-m/3600rpm●燃料供給装置シングルキャブレター●燃料タンク容量40L●変速機前進4段/後退1段●変速比1速4.183/2速2.642/3速1.596/4速1.000/後退5.503●最終減速比4.625●ステアリング形式ウオーム&セクターローラー式●サスペンション前/後ダブルウイッシュボーン・コイル/ド・ディオンアクスル・リーフ●ブレーキ前後ともドラム●タイヤ前後とも5.90-15 4PR●発売当時価格185万円






トランスミッションは前進4速、後進1速で、コラムレバーによって変速操作をする。



メーターにはメッキリングが付いた手の込んだデザイン。左がエンジン回転計で5000rpmからレッドゾーン。右が速度計で160km/hまで刻まれている。



中央の4連メーターはプロトタイプにはなく、量産仕様で装着されたもの。左から3針時計、電流計、燃料計、水温計の順。



ABCペダル。アクセルはオルガンタイプを採用した。


前後のシートは本革で仕立てられたものを装着。リクライニング用のパーツ類もメッキで仕上げられ、職人技が随所に見受けられる。ビニールは保護のために付けられている。


掲載:ノスタルジックヒーロー 2017年6月号 Vol.181(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

photo:Isao Yatsui/谷井 功

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