「Zの状態を見ようと車庫に行ったら、シャッターの前に木が生えてしまっていて・・・」|1971年式 日産 フェアレディZ Vol.3

1971年4月30日にオーナーの元に納車され、その後、44年間(2015年当時)ワンオーナーのまま。今回の復活で全塗装されたが、部品は類は当時のまま。

       
初代S30フェアレディZがデビューしたのが1969年のこと。後期型となるS31の販売も78年で終了した。当時は、高度成長期であったとはいえ、趣味性の高い2シーターのスポーツモデルであるS30Zを購入できるのは、ごく限られた裕福な人。しかも、20代のオーナーとなると、極めて少数だった。まさにそんなオーナーだった今回のオーナーに、それからのエピソードをうかがった。

【1971年式 日産 フェアレディZ Vol.3】【2】から続く

 それから30年が経った2013年、思い出のZを復活させようと思い立ち、オーナーは彦根市にある「ピットハウス」に連絡を入れた。ピットハウスの國領宣孝さんとオーナーは親戚にあたり、以前から付き合いがあった。

「とりあえずZの状態を見ようと車庫に行ったら、シャッターの前に木が生えてしまっていて、車庫から出すのに1年かかりました。シャッターも壊れていましたし。ただし、車庫に入っていたおかげでボディの状態はよかったため、エンジンはフルOHを行いましたが、ボディははく離をせずに、当時の雰囲気を残しつつオールペイントを行いました」と國領さん。オーナーの記憶に残るZのイメージを思い、あえて当時の部品を残して仕上げている。30年ぶりに復活したZが納まるガレージの前で、オーナーは満足そうだった。


OWNER’S VOICE/さすがにZ432は買ってもらえなかった

7歳の時に手に入れたZだが、「さすがに185万円もするZ432は買ってもらえませんでしたね」と笑顔で語ってくれた。「自分で事故を起こしたことはないんですが、京都に行った時に後ろから軽く追突されたことがあります」とのこと。また、当時は奥さんもこのZがお気に入りで、ちょくちょくステアリングを握ってドライブしていたそうだ。そんな思い出があるZだからこそ保管していて、30年後の今、また乗りたくなったのだ。



Zが納まるガレージは宮大工の職人による「竹生島神社客殿」らしく、内部も白木の素晴らしい造り。


【画像18枚】コンディション抜群のダッシュボードや、ベーシックグレードでは標準となる2針式時計など



メーターの距離は、1回転(10万km)の「08980」という実走だ。





ヘッドレスト一体型の純正ハイバックシートは、破れやスレもなく、やや使用感がある程度。純正シートベルトも左右とも揃っている。





ラゲージスペースのビニールマットやベルトも当時のモノ。リアガラスには熱線がない。



1971年式 日産 フェアレディZ(S30)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 4115mm
全幅 1630mm
全高 1285mm
ホイールベース 2305mm
トレッド前/後 1355/1345mm
最低地上高 160mm
室内長 835mm
室内幅 1390mm
室内高 1070mm
車両重量 975kg
乗車定員 2名
最高速度 185km/h
登坂能力 sinθ0.423
最小回転半径 4.8m
エンジン型式 L20型
エンジン種類 水冷直列6気筒SOHC
総排気量 1998cc
ボア×ストローク 78.0×69.7mm
圧縮比 9.5:1
最高出力 130ps/6000rpm
最大トルク 17.5kg-m/4400rpm
燃料供給装置 SU型×2
変速比 1速 3.549/2速 2.197/3速 1.420/4速 1.000/後退 3.164
最終減速比 3.700
燃料タンク容量 60L
ステアリング形式 ラック&ピニオン式
サスペンション 前後とも独立懸架ストラット式
ブレーキ 前/後ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ 前後とも6.95H-14-4PR
発売当時価格 93万円


初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 10月号 vol.171(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 日産 フェアレディZ(全3記事)

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photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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