70年代、当時の若者たちを魅了したオーバーフェンダー|1973年式 トヨタ カローラクーペ レビン1600 Vol.1

1972年から1974年まで販売されたTE27カローラレビン。オーナーのクルマは1973年製で後期型にあたる。バンパー下まで伸びたオーバーフェンダーがFRP製なのが特徴となる。前期は少しだけ短い。マフラーは藤壷技研工業製。新品でまだ手に入る(2021年10月現在)。

       
【1973年式 トヨタ カローラクーペ レビン1600 Vol.1】

 1970年に登場した2代目カローラは、3K型OHV 1.2L 68㎰エンジンを搭載した普通の大衆車だった(後にT型1.4Lも追加)。

 これをベースとし、車格としては1クラス上であるTA22セリカ1600GT用ツインカム1.6L 115㎰、2T-G型エンジンを搭載。ボディにはオーバーフェンダーを取り付け、レーシングイメージを増したホットモデルが、1972年デビューの初代カローラレビン/スプリンタートレノ、通称TE27だ。

 とりわけ、オーバーフェンダーが当時の若者たちを魅了した。70年代初頭は、KPGC10スカイライン2000 GT-Rやフェアレディ240ZGなど、オーバーフェンダーを装着したホットモデルが多く存在した時期である。とはいえ、240ZGは車両価格もさることながら税金も高額なため、敷居が高かった。TE27は若者たちにとって、何とか手に届くマシンだった。



後期型の証であるバンパー下まで伸びたFRP製リアオーバーフェンダーなど【写真20枚】



カローラレビン、スプリンタートレノはフロントマスク以外ほぼ共通。そのためニコイチ車でエンブレムが入れ替わってしまうこともあるが、藤森さんのクルマはもちろんそんなことはない。前オーナーいわく、10年以上倉庫で眠っていたため、ボディ、内装ともに程度がいい。





トムスのイゲタホイールがよく似合う。7J×13インチは数が少なく、入手に苦労したという。タイヤはアドバンA021R、フロント185/60、リヤ205/60をセレクト。





トヨシマのレース用リーフスプリング。シャックルをかませて好みの車高に調整している。


1973年式 トヨタ カローラクーペ レビン1600 (TE27)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 3955mm
全幅 1595mm
全高 1335mm
ホイールベース 2335mm
トレッド前/後 1270/1295mm
最低地上高 165mm
車両重量 855kg
乗車定員 5名
最高速度 190km/h
登坂能力 tanθ0.71
最小回転半径 4.8m
エンジン型式 2T-G型
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC
ボア×ストローク 85.0×70.0mm
総排気量 1588cc
圧縮比 9.8:1
最高出力 115ps/6400rpm
最大トルク 14.5kg-m/5200rpm
変速機 前進5段オールシンクロメッシュ
変速比 1速 3.587/2速 2.022/3速 1.384/4速 1.000/5速 0.861/後退 3.484
最終減速比 4.300
燃料タンク容量 43L
ステアリング形式 リサーキュレーティング・ボール式
サスペンション前/後 ストラット型独立懸架/半だ円リーフスプリング
ブレーキ前/後 ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ前後とも 175/70HR13
発売当時価格 84.1万円

【2】【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 08月 Vol.170 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1973年式 トヨタ カローラクーペ レビン1600(全3記事)

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text : RYOICHI IGAWA/井川了一 photo : SATOSHI KAMIMURA/神村 聖

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