80年代でこのルックス! 2t積みトラックのロングセラー|1982年式 日産 ジュニア  Vol.1

2t積みトラックの、ロングセラーとなった日産 ジュニア。

       
【1982年式 日産 ジュニア  Vol.1】

 日本の自動車産業は、戦後の復興期、オート三輪やトラックなどの商用車生産を足がかりに拡大を続けてきた。

 日産自動車は1950年代中盤からニッサン大型トラックとダットサン小型トラックを展開。大型トラックは4tから7tくらいまでの最大積載量を持ち、堅牢なはしご形フレームの前部にエンジンを装着。その上にボンネットタイプの専用キャブを被せ、後ろに荷台を置いたレイアウトとなっていた。

 一方の小型トラックは1t以下で、やはり前部にエンジンを置き、その上にキャブを被せるわけだが、ダットサンの場合、乗用車と共通の顔つきのキャブであり、1種類のパワートレーンとフレームを基にして、セダン、バン、トラックなど複数のボディを架装する手法を取っていた。

 そうした中、日産は大型と小型の間に位置する中型トラックの開発に着手。最大積載量を1.75tとし、排気量1.5Lの1H型エンジンを搭載した新型モデルの生産を開始した。車名は従業員から募集して「ジュニア」と決まり、1956年10月に1号車が工場からラインオフ。丸形2灯ヘッドライトのフロントフェイスを持つ、初代ニッサンジュニアが誕生した。

 ジュニアはトラックのほかにバンもあり、製造手法は小型のダットサンと同じだが、大型と同様に専用のキャブを持っていた。このあたりは双方のいいとこ取りで中型を造ったと言えよう。

Nのバッジが付くグリル、欧文の車名が付くステアリングのホーンボタンなど【写真16枚】


【2】【3】に続く

1982年式 日産 ジュニア 2t積み標準型(J-141)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 4690mm
全幅 1690mm
全高 1720mm
ホイールベース 2805mm
トレッド前/後 1405/1400mm
最低地上高 220mm
車両重量 1455kg
床面地上高 805mm
荷台(内寸)長 2285/幅1590/高400mm
最大積載量 2000kg
乗車定員 3名
登坂能力 tanθ0.35
最小回転半径5.9m
エンジン型式 H20型
エンジン種類 水冷直列4気筒OHV
総排気量 1982cc
圧縮比 8.2:1
最高出力 92ps/4800rpm
最大トルク 16.0kg-m/3200rpm
変速機 フルシンクロメッシュ式前進4段・後退1段
ブレーキ 前後ともドラム式
タイヤ 前/後7.00-16-6/7.50-16-12
発売当時価格 95.2万円


初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 04月 Vol.168 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1982年式 日産 ジュニア (全3記事)

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photo : KAZUHISA MASUDA/益田和久

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