もう一度ライトウエイトスポーツに乗りたい|1966年式 ホンダ S800 Vol.2

ボディカラーは岩佐さんと相談し、好みのアルペンブルーに塗り替えられた。「落ち着いた色にしたいと要望を出しました」とオーナー。

       
【1966年式 ホンダ S800 Vol.2】

【1】から続く

 S500が登場した当時、まだ学生だったオーナーは、センセーショナルな広告とともに登場したこのクルマが強く印象に残っていたという。

 その後、運転免許を取得し、510ブルーバードやセリカGTV、シビック1200RS、トライアンフTR4Aなど先鋭的な機構を持ったクルマを乗り継いだオーナーは、その後、趣味車として英国車を手に入れる。このクルマの整備をお願いしていたのが、ホンダSを得意とする旧車専門ショップ「ガレージイワサ」だった。

 もう一度ライトウエイトスポーツに乗りたいと思っていたオーナーは、ホンダSやロータスエランが数多く出入庫するガレージイワサ社長の岩佐三世志さんとの出会いもあり、ホンダSへの切り替えを決める。


A〜FとS800M用加速ポンプ付きのJという7種類が存在する京浜製CVキャブレターなど【写真20枚】





S800の特徴であるパワーバルジ。静止状態ではキャブレターがボンネットに当たることはなく、必要ない機構と思われがちだが、実際にはエンジンの振動によるクリアランスやエンジンルーム内の空気の流れを作る役割を果たす。






磨きのみで渋い輝きに仕上げたオールアルミエンジン。






京浜製CVキャブレター。公害対策用の改良が重ねられ、A〜FとS800M用加速ポンプ付きのJという7種類が存在。



【3】に続く


1966年式 ホンダ S800(AS800)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 3335mm
全幅 1400mm
全高 1200mm
ホイールベース 2000mm
最低地上高 160mm
車両重量 720kg
乗車定員 2名
登坂能力 20.8°
最小回転半径 4.4m
エンジン型式 AS800E型
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC
総排気量 791cc
ボア×ストローク 60.0×70.0mm
圧縮比 9.2:1
最高出力 70ps/8000rpm
最大トルク 6.7kg-m/6000rpm
燃料タンク容量 35L
ステアリング形式 ラック&ピニオン
サスペンション前/後 トーションバー式ウイッシュボーン独立懸架/コイルバネ式トレーリングアーム独立懸架
ブレーキ前後とも 油圧式リーディングトレーリングシュー形式
タイヤ前後とも 6.15-13-4PR
発売当時価格 65.8万円



初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 04月 Vol.168 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1966年式 ホンダ S800(全3記事)

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photo : MASAMI SATO/佐藤正巳

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