勝利の「V」をその名に冠したホットモデル|1974年式 トヨタ セリカ1600 GTV Vol.2

フロントスポイラーは、エプロンと一体型になっているリスタード製を装着。

       
【1974年式 トヨタ セリカ1600 GTV Vol.2】

【1】から続く

 トヨタが構築した高度な生産販売管理体制を駆使して、販売会社から入った注文どおりの仕様のセリカを続々と仕立てていくはずだったが、残念ながらその試みは長くは続かなかった。

 1972年8月にマイナーチェンジを実施し、ビクトリー(勝利)のVをその名に冠した1600GTVを追加。さらに1973年4月にリフトバックを新設定し、2Lエンジン搭載車を追加。この間に売れ筋のグレードや仕様がまとまってくるのは当然の結果で、1974年1月の2度目のマイナーチェンジでフルチョイス・システムは発展的解消となった。

 取材車両は1974年式のセリカ1600GTVで、ファンの間では中期型と呼ばれているモデル。翌1975年以降、毎年強化される排ガス規制適合車が登場する前の、いわゆる「規制前」の個体で、写真を見て分かる通り、良好なコンディションで維持されている。オーナーの内田茂雄さんは新車ディーラーの営業スタッフで、その道のプロ。日々ハイブリッド車に乗って新車の営業に行っているわけだが、根はふつうのクルマ好き、旧車好きであり、オンとオフをうまく使い分けている。

整備が行き届いたエンジンルームなど【写真24枚】




ミクニソレックスのツインキャブレターは、標準装着のもの。エアクリーナーのみ社外品を使用する。プラグコードは永井電子工業製のウルトラ・シリコーンワイヤーに交換。





ミクニソレックスのツインキャブレターは、標準装着のもの。エアクリーナーのみ社外品を使用する。プラグコードは永井電子工業製のウルトラ・シリコーンワイヤーに交換。






整備が行き届いたエンジンルーム。

【3】【4】に続く


1974年式 トヨタ セリカ1600 GTV(TA22)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 4235mm
全幅 1610mm
全高 1300mm
ホイールベース 2425mm
トレッド前/後 1300/1305mm
最低地上高 165mm
車両重量 990kg
乗車定員 5名
最高速度 185km/h
登坂能力 tanθ0.54
最小回転半径 5.2m
エンジン型式 2T-GR型
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC
ボア×ストローク 85×70mm
総排気量 1588cc
圧縮比 8.8:1
最高出力 110ps/6000rpm
最大トルク 14.0kg-m/4800rpm
変速機 フルシンクロメッシュ式前進5段・後退1段
変速比 1速 3.587/2速 2.022/3速 1.384/4速 1.000/5速 0.861/後退 3.484
最終減速比 4.100
燃料タンク容量 50L
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール式
サスペンション前/後 マクファーソン・ストラット式コイルスプリング/4リンク・ラテラルロッド付コイルスプリング
ブレーキ前/後 ディスク式/リーディング・トレーリング式
タイヤ前後とも 185/70HR13
発売当時価格 106.3万円


初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 04月 Vol.168 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1974年式 トヨタ セリカ1600 GTV(全4記事)

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photo : SATOSHI KAMIMURA/神村 聖

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