3代目は、超音速旅客機のSSTをイメージした「スーパーソニックライン」デザイン|1968年式 日産 ブルーバード SSS Vol.1

当時のブルーバードは、ダットサンブランドだったため、フロントには「D」をあしらったトリコロールカラーのエンブレムが付く。

       
【1968年式 日産 ブルーバード SSS Vol.1】

 20世紀の日産を代表するファミリーカーといわれたとき、多くの人はブルーバードと答える。初代ブルーバードが誕生したのは、1959年7月だ。ダットサン・セダンの後継として送り出した310系は、ファミリーカーとしての基本性能が高いだけでなく、走りの実力も高く、デザインもよかったことから、空前のヒット作となった。

 続く2代目の410系は、ライバルのコロナにベストセラーカーの座を奪われ、苦戦。王座の奪還に燃える日産が、次期ブルーバードの開発に並々ならぬ力を注いだのはいうまでもない。失敗の一因となったデザインに最新のモードを採用しただけでなく、メカニズムも最先端のものを選んでいた。

 3代目の510系がベールを脱いだのは、1967年8月9日。仏滅の日に衝撃的なデビューを飾ったのだ。日産が「ビス1本まで新しくした」とコメントしたように、パワートレーンもサスペンションも一新。エクステリアは、ウエッジシェイプのダイナミックなデザインで、超音速旅客機のSSTをイメージした「スーパーソニックライン」を採用し、三角窓も取り去っている。


刀型デザインで左右非対称の初期型ウインカーや、「喧嘩ワイパー」と呼ばれた対向タイプのワイパーなど【写真16枚】




初期型のウインカーレンズは刀型デザインで左右非対称。コストがかさむため、後期型は左右共通になった。





横長のリアコンビネーションランプの間にガーニッシュを挟み、右側には排気量を表す赤のエンブレムとSSSの文字が入る。





換気用のフレッシュエアシステムを採用したため、Cピラーにはベンチレーションルーバーを設けた。SSSのエンブレムが誇らしげだ。



【2】【3】に続く

1968年式 日産 ブルーバード SSS(P510)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 4120mm
全幅 1560mm
全高 1400mm
ホイールベース 2420mm
トレッド前/後 1280/1280mm
最低地上高 190mm
室内長 1740mm
室内幅 1290mm
室内高 1130mm
車両重量 915kg
乗車定員 5名
最高速度 165km/h
登坂能力sinθ 0.487
最小回転半径 4.8m
エンジン型式 L16型
エンジン種類 水冷直列4気筒SOHC
総排気量 1595cc
ボア×ストローク 83.0×73.7mm
圧縮比 9.5:1
最高出力 100ps/6000rpm
最大トルク 13.5kg-m/4000rpm
キャブレター SU型ツインキャブレター
変速比 1速 3.657/2速 2.177/3速 1.419/4速 1.000/後退 3.638
最終減速比 3.900
燃料タンク容量 46L
ステアリング形式 リサーキュレイティングボール式
サスペンション前/後 独立懸架ストラット式/独立懸架セミトレーリング式
ブレーキ前/後 ディスク/リーディングトレーリング式
タイヤ前後とも 5.60-13 4P
発売当時価格 75.5万円



初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 04月 Vol.168 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1968年式 日産 ブルーバード SSS(全3記事)

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text : HIDEAKI KATAOKA/片岡英明 photo : TAKASHI AKAMATSU/赤松 孝

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