「比べてください。ライバルと。」カタログでうたわれたシート|1983年式 日産 グロリア 4ドア セダン V30E ブロアム Vol.3

「これは絶対に譲れなかった」とオーナーこだわりのベンチシート。「豪華な感じがたまらないですね。状態のいいベンコラがなかなか見つからなくて苦労したけど、1オーナーで走行8万6000kmのクルマと出合えてよかった」と語る。シート地は上質なトリコットベロア。

       
【1983年式 グロリア 4ドア セダン V30E ブロアム Vol.3】

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 そのほか、減衰力を自動調整する超音波電子制御ショックアブソーバーのスーパーソニックサスペンションや、2つのシフトスケジュールを持つ世界初パワー&エコノミー自動切り替え機能付き電子制御オートマチックなど、先進技術を搭載。コンピューター制御のハイテク装備の積極的な投入により、クラウンとの差別化を図っていた。

 そしてもうひとつ、Y30の特徴ともいうべきものが「シート」。

 ブロアム系のそれは、やわらかな座り心地で手触りも良く、まるで上質なソファのよう。とくに通称「ベンコラ」のフロントベンチシートは、運転しながら極上のくつろぎ感を得られる。Y30のカタログには頻繁にライバルとの比較を促す文字が躍るが、初期のシートの部分にはとくに大きく「比べてください。ライバルと。」と表記されている。シートに絶対の自信を持っていた表れだ。

 こうして、ライバルとの差別化を図ったY30は、品格と高級感で、今も多くのファンに愛されている。

V20ターボブロアム以上に装備された座面が前方に動き背もたれが傾斜する、後席電動リクライニングシートなど【写真19枚】




エクステリア同様、直線基調のインパネデザイン。セダンは2スポーク、ハードトップは4スポークと、ハンドルデザインが異なる。





後席から音量調節や選局の操作が可能なラジオコントロール。さらに後席用エアコンの操作スイッチも付く。






天井に付けられた後席用のエアコン吹き出し口。セダンはより大型で中央に、ハードトップは左右のルーフサイドに備える。後方には大型の読書灯を装備。

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1983年式 グロリア 4ドア セダン V30E ブロアム(PY30)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4860×1720×1435
ホイールベース(mm) 2730
トレッド前/後(mm) 1430/1400
車両重量(kg) 1460
エンジン型式 VG30E型
エンジン種類 V型6気筒SOHC
総排気量(cc) 2960
ボア×ストローク(mm) 87.0×83.0
圧縮比 9.0:1
最高出力(ps/rpm) 180/5200
最大トルク(kg-m/rpm) 26.5/4000
変速比 1速 2.458/2速 1.458/3速 1.000/4速 0.686/後退 2.182
最終減速比 3.889
ステアリング形式 ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/4リンクコイル
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ前・後 185SR14(前後とも)
発売当時価格 338.8万円



初出:ハチマルヒーロー 2013年 11月号 vol.23(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1983年式 グロリア 4ドア セダン V30E ブロアム(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : ISAO YATSUI/谷井 功

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