「やったところで、あと何年乗れるのか不安でしたから」協力してくれた周囲の人々に感謝!|1984年式 トヨタ コロナ セダン 1800 GT-TR Vol.3

直線基調のスタイリングや居住性を考慮した大きなキャビンはオーソドックスなセダンスタイルだが、秘めたるパワーはスポーツカーそのもの。

       
【1984年式 トヨタ コロナ セダン 1800 GT-TR Vol.3】

【2】から続く

 ここに登場する個体のオーナーはYさん。しかし、実際はYさんの愛車ではなく、家族のクルマだという。ただ、1984年に新車で購入したときは、根っからのクルマ好きであったYさんの意見が大きく反映され、1800GT‐TRに決定した経緯がある。そして来年で購入後30年を迎え、走行距離は11万kmをオーバー。現在も家族の足として、雨の日も風の日も活躍している。

 ただ、この長い年月を順風満帆に過ごしてきたわけではない。10年ほど前までは目立ったトラブルもなかったが、近年は経年劣化とともにボディのサビも進行。そこで4年ほど前にプチレストアを実施。製廃になる前に入手しておいた新品パーツを使いながら、エンジン関係のほかボディの修復・塗装を行った。また、新品パーツの供給が限られているため、ヘッドカバーのガスケットは型紙から手作りしてもらったなどの苦労もあったそうだ。

 A63セリカ/カリーナに比べて現存台数が少ないTT142コロナ。今後も現在のコンディションをできる限り維持しながら、家族の足として末長く活躍していくことを願うばかりだ。

OWNER’S VOICE/協力してくれた周囲の人々に感謝!  

 度重なるエンジン不調に心が折れそうになり「実際に直すかどうか悩みました。やったところで、あと何年乗れるのか不安でしたから」とレストア時の思いを話すオーナー。しかし、現在も家族の公用車として活躍する姿を見ると、プチレストアをして正解だったのではないだろうか。また「仲間たちや各ショップの協力があったからこそ今の状態を保っているので、みなさんにお礼を言いたいですね」と、周囲への感謝の気持ちを述べていた。


国産初のツインカムターボ、3T-GTEU型。気筒あたり2本のプラグを備え、燃焼効率を高めたエンジンなど【写真18枚】




低いダッシュボードで開放感を持たせたというインパネのデザイン。ステアリングは本革巻きの純正品で、赤いステッチがスポーティー。





センターコンソールにはコンディション管理のため、デフィのDINゲージを装着。オーナーの「純正風にしたかった」というこだわりで選んだアイテムで、照明はメーターと同じ色味のグリーン。





最上級のGT-TRは、7ウェイのスポーツシートを標準装備。なおハードトップでは、同じ7ウェイでもヘッドレスト一体型のデザインとなる。


1984年式 トヨタ コロナ セダン 1800 GT-TR(TT142)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4575×1680×1395
ホイールベース(mm)  2500
トレッド前/後(mm) 1395/1385
車両重量(kg)  1165
エンジン型式  3T-GTEU型
エンジン種類 直列4気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 1770
ボア×ストローク(mm) 85.0×78.0
圧縮比 7.8:1
最高出力(ps/rpm) 160/6000
最大トルク(kg-m/rpm) 21.0/4800
変速比 1速 3.566/2速 2.056/3速 1.384/4速 1.000/5速 0.850/後退 4.091
最終減速比 4.100
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 185/70R14(前後とも)
発売当時価格 203.2万円


初出:ハチマルヒーロー 2014年 02月号 vol.24(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1984年式 トヨタ コロナ セダン 1800 GT-TR(全3記事)


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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MAKOTO INOUE/井上 誠

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