最先端技術の塊。それがソアラだった! 210psの空冷式ICターボ搭載|1990年式 トヨタ ソアラ 2.0 GT ツインターボL Vol.2

バンパーモールの部分に「TWIN turbo」の文字が躍る。これはツインターボ特有のもの。後期型はグリルが横桟デザインになる。

       
【1990年式 トヨタ ソアラ 2.0 GT ツインターボL Vol.2】

【1】から続く

 トヨタ2000GT以来の4輪ダブルウイッシュボーンにはじまり、電子制御サスペンションTEMS、極めつけは世界初のモード切替式電子制御エアサスペンションまでも投入。最先端技術を惜しげもなく用いて走行性能の強化を図った。この土台があるからこそ活きるのが2つのターボエンジンだった。

 まず、頂点に君臨するのが3L直列6ターボの7M‐GT型だ。Z10ソアラの6M‐G型をベースに、4バルブ化されたアルミ合金製ヘッドなど改良を実施。さらにターボ化することで、230psを叩き出し、日本最強エンジンの名を欲しいままにした。

 そして、もうひとつが2L直6ツインターボだ。この1G‐GT型はひと足先に71マークⅡ兄弟に搭載されているが、Z20ソアラではインタークーラーを水冷式から空冷式に変更。これにより冷えしろが大きくなることで体積効率が向上し、常用過給域でのトルクを稼げる。その結果、空冷式から0.5kg‐mアップの24.5kg‐m(前期型)に最大トルクが向上。最終的には最高出力210ps/最大トルク28.0kg‐mにまで性能アップを果たしている。

 そもそもツインターボ化のメリットは何か。それは排気干渉の抑制にある。排ガス量の多い3Lは問題ないが、小排気量の2L6気筒の場合、シングルターボでは排気干渉が起こる。そのため、3気筒ずつのデュアルマニホールド化し、それぞれに小型・軽量なタービンを装着することで、排気干渉を抑え、飛躍的な性能向上を実現したのだ。このエンジンに対してオーナーは、「踏まなければジェントルに6気筒感覚を楽しめ、踏み込めばターボ過給とともに加速が味わえます」と語る。


ハーフミラーに反射させるスペースビジョンメーターや、グリルセンターに配置される「羽の生えたライオン」のオーナメントなど【写真17枚】




1G-GT型はハイオク仕様への変更などにより、最終的に最高出力は185psから210ps(ネット)に、最大トルクは24.5kg‐mから28.0kg‐mにまでアップ。




排気通路を1〜3番と4〜6番の2つに分け、そこに小型かつ軽量なタービンを2機搭載する1G-GT型。これにより、ハイパワー化はもちろんのこと、ハイレスポンスと唐突感のない自然なフィーリング、滑らかで息の長い加速を手に入れた。

【3】に続く


1990年式 トヨタ ソアラ 2.0 GT ツインターボL(GZ20)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4675×1695×1345
ホイールベース(mm)  2670
トレッド(mm) 1460(前後とも)
車両重量(kg) 1450
エンジン型式  1G-GTEU型
エンジン種類 直列6気筒DOHCツインターボ
総排気量(cc) 1988
ボア×ストローク(mm) 75.0×75.0
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps/rpm) 210/6200
最大トルク(kg-m/rpm) 28.0/3800
変速比 1速 2.804/2速 1.531/3速 1.000/4速 0.705/後退 2.393
最終減速比 4.556
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ダブルウイッシュボーン(前後とも)
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 215/60R15(前後とも)
発売当時価格 312.6万円


初出:ハチマルヒーロー 2014年 02月号 vol.24(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1990年式 トヨタ ソアラ 2.0 GT ツインターボL(全4記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : DAIJIRO KORI/郡 大二郎

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