トヨタのメカニックがスワップしたエンジンは、プリメーラ用のネオVVL付き!?|1968年式 ダットサン 1600 ロードスター Vol.2

チューンドSR20VE型をクリーンに収めた、快適スペック・ロードスター。

       
【1968年式 ダットサン 1600 ロードスター Vol.2】

【1】から続く

 車体を購入後、すぐにスワップ用エンジンをプランニング。アメリカで入手しやすいKA型は鋳鉄ブロックで重いことから、アルミブロックのSR20型を移植することにした。作業は自宅ガレージで行い、トヨタでメカニックをしているマイケルさんの友人がメイン部分を担当。トヨタのメカがダットサンのエンジンスワップ? と思うなかれ。この友人は実はキャリア20年以上のダットサン好きで、ボルトを見ただけで、どこに付く物なのか分かるほどのマニアだそうだ。そんなスペシャリストの手を借り、クルマがガレージに入ってから3時間でフレームとボディは分離され、2日でエンジンが降り、すべては7週間で仕上がった。

 プロの手を借りたとはいえ、このSPL311はガレージビルドとは思えないほどレベルが高い。エンジンはシルビア用のブロックに、プリメーラ用のネオVVL付きヘッドを組み合わせたSR20VE型仕様で、エンジン内部にもしっかりと手を入れたチューンドユニット。230psは出ているというから、そのパワーウェイトレシオはいっぱしのスポーツカーだ。

 現にマイケルさんは、今回の撮影を行ったこの峠に、週3回は通うほど走ることが大好き。自宅から20分ほどの距離なので完全に自分の庭といえ、ここでならGT‐Rでも余裕でカモってしまうとか。今後はさらに走りを磨くために、ロールバーとバケットシート、そして4点式ハーネスをすでにガレージに準備してあるとのことだ。



1968年式 ダットサン 1600 ロードスター
SPECIFICATION

●エンジン:SR20VE型換装/日産製N1カム/チタンリテーナー/G-SPEC製調整式カムギア/SR20DE型用クランク/MANLEY製鍛造Hビームコンロッド/鍛造ピストン/EFIハードウェア製プリメーラ用独立スロットル/ダイナミック・メタルワーク製カスタムエキゾースト/CXレーシング製ラジエーター/MEGASQUIRT製ECU
●駆動系:240SX(S14)用5速ミッション換装/EXEDY製クラッチ/プロペラシャフトショート加工/RX-7(FB)用リアアクスル&LSD
●ブレーキ:(F)300ZXツインターボ用キャリパー/コールマンレーシング製ローター/ホークパフォーマンス製ブレーキパッド (R)RX-7(FB)用ローター&キャリパー
●ホイール:DRIFT KING 16インチ
●タイヤ:フェデラル製595EVO(205/45ZR16)


ガレージビルドとは思えない、クリーンなフィニッシュのエンジンルームなど【写真13枚】



エンジンスワップに伴いメーター類は機械式から電気式に変わったが、メーターパネルは純正を流用。しかも10000rpm仕様にアレンジ済み!





外観同様見た目だけではスワップ車と思われないように、ストック状態をキープするインテリア。ウッドステアリングが似合う。




ガレージビルドとは思えないほどレベルが高いSPL311



初出:ノスタルジックスピード 2015年7月 Vol.007 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1968年式 ダットサン 1600 ロードスター(全4記事)

関連記事:西海岸のエンジンスワップ旧車たち

関連記事: フェアレディ

text : TAKAYOSHI SUZUKI/鈴木貴義 photo : AKIO HIRANO/平野陽

RECOMMENDED

RELATED

RANKING