全幅1840mmの体躯! グランドツアラーとして真価を発揮|1993年式 三菱 GTO ツインターボ Vol.2

取材車両はエスペリアのダウンサスでローダウン。4本出しマフラーは、スイッチでノーマル or サイレントの選択が可能。

       
REカーとライバルたち

【1993年式 三菱 GTO ツインターボ Vol.2】

Vol.【1】から続く

 第28回東京モーターショーに「HSX」として参考出品され、翌年市販化されたGTO。もともとはスタリオンの後継として開発されたが、中身は当時の時勢が反映されたバブルカーそのもの。

 それゆえ、圧倒的なパワー&トルクを発生する3L V6ツインターボエンジン、クラス初のフルタイム4WDおよび4WS、前後のエアロパーツを電動で作動させるアクティブ・エアロ・システム、排気音量を手もとで変えられるアクティブエキゾーストシステムなど、いたるところに当時最新のテクノロジーが投入された。

 また、全幅1.8mをゆうに超えるグラマラスでマッチョなスタイリングに、フェラーリをモチーフにしたともいわれるサイドダクトなど、派手なデザインも大きな話題を呼んだ。

 そして、スポーツカーとして最重要視される運動性能は、前述の3L V6ツインターボエンジン(自然吸気もあり)のパワーと、それを確実に路面に伝えるフルタイム4WDシステムにより、豪快な走りを披露。ただし、1.7トンを超える重量級ゆえ軽快感には乏しく、「重い・曲がらない・止まらない」と酷評されることもあった。

 しかしGTOの真価が発揮されるのは、サーキットやワインディングではなく、ハイウェイクルーズ。ず太いトルクと4WD&4WSを生かした高い安定感・安心感は、国産車随一といえるもので、グランドツアラーとしての資質はライバルを一枚も二枚も上回るほどだったのだ。


前期の証しとなるリトラクタブルヘッドライトや、オプションのバンパーコーナープロテクターなど【写真19枚】




機能性を重視し、適度なタイト感を演出したインテリア。エアバッグは全車に標準装備。




「購入の決め手になった」というほどオーナーお気に入りのグラストップ。50mm後方が上昇するチルト機構だけでなく、取り外すことも可能。


Vol.【3】に続く


1993年式 三菱 GTO ツインターボ(Z16A)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(㎜) 4565×1840×1285
ホイールベース(㎜)  2470
トレッド前/後(㎜) 1560/1580
車両重量(㎏)  1710
エンジン型式  6G72型
エンジン種類 V型6気筒DOHCツインターボ
総排気量(cc) 2972
ボア×ストローク(㎜) 91.1×76.0
圧縮比 8.0:1
最高出力(ps/rpm) 280/6000
最大トルク(㎏-m/rpm) 42.5/2500
変速比 1速 3.071/2速 1.739/3速 1.103/4速 0.823/5速 0.659/後退 3.076
最終減速比 3.972
ステアリング形式 ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/ダブルウイッシュボーン
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 225/50R17(前後とも)
発売当時価格 410.5万円


初出:ハチマルヒーロー 2013年11月号 Vol.23(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1993年式 三菱 GTO ツインターボ(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : AKIO HIRANO/平野 陽

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