プリンス愛ひとつに……|S54スカイラインと新たな仲間たち

オーナーズクラブ「プリンスS54クラブ西日本」その門出。

       
国産旧車のファンにとって、プリンス自動車工業が製造したクルマは、今なお人気が高い。その筆頭に位置するのがスカイラインであることは、だれもが認めるところだろう。

 2代目スカイラインの水冷直列6気筒、G7型エンジン搭載車であるS54 2000 GT-A & GT-Bは、今なお、たくさんの個体がオーナーたちによって上々のコンディションで維持されながら、快調に走り回っている。

 2013年、初秋のある日、西日本でS54スカイラインのオーナーたちが集まるという情報が入ってきた。そして、ノスタルジックヒーローでの取材がきっかけとなり、オーナーズクラブ設立にまで話が進展したという。

 その名も「プリンスS54クラブ西日本」。プリンス車への愛情をひとつにまとめ、新たにスタートを切った。

会場となったギャラリーに集まったスカイラインなど【写真7枚】




 2代目のプリンス・スカイラインとなるS50系スカイラインは、1963年11月に登場した。1.5LのG1型水冷直列4気筒OHVエンジンを、4ドアのセダンボディに搭載。直線基調のバランスのいいスタイリングは、高級感ある小型車として人気を博した。

 カーマニアにとって特別なストーリーを持つ1台は、つねに憧れの存在となる。64年5月にデビューしたスカイラインGTは、レース参戦のために製造されたクルマであり、直列6気筒エンジンを搭載するために延長されたフロントノーズが、独特のサイドビューを形づくる。このS54の型式を持つファミリーは68年式まで存在。途中、プリンス自工と日産自動車の合併もあり、67年8月からは日産プリンス・スカイラインの車名を名乗ることになる。

 現存するS54スカイライン2000GTの多くは2型と3型であり、年式によって細かな仕様の違いもあるが、今なお、熱いハートを持つプリンス車愛好家たちによって、実動車として維持されているのはうれしい限り。



 今回「プリンスS54クラブ西日本」に参加したメンバーたちは、今までカークラブに属したことのない人がほとんどだ。プリンス車を得意とする長野県箕輪町にある「プリンスクラフト」の顧客を中心にして、西日本にS54スカイライン・オーナーたちの拠点を作ろうということで、岡山県、広島県在住のオーナーたちがまとまった。

「今後はツーリングや旧車イベントへの遠征など、メンバーの皆さんと情報交換しながら、S54のある生活を楽しんでいきたいと思っています」

 と、初代会長に就任した五島紳一郎さんは話してくれた。



>>> 6台のオーナー車、プリンススカイラインの紹介へ続く


初出:ノスタルジックヒーロー 2013年12月号 Vol.160(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

S54スカイラインと新たな仲間たち

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photo:HIROTAKA MINAI/南井浩孝

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