RX-8用のRENESISエンジンの吸気ポート形状を採用した13B|1983年式 マツダ サバンナ RX-7 SE リミテッド Vol.3

左のハウジングがFD用で、右がRX-8用。ハウジング上部の吸気ポートの大きさを比べる と、右側のRX-8用ハウジングの方が格段に 大きくなっていることが分かるだろう。

       
【1983年式 マツダ サバンナ RX-7 SE リミテッド Vol.3】

 このSA22Cはエンジンだけでなく、トータルで走りの性能がアップデートされている。13B型ターボと同様、ミッションもFC3S用5速MTに換装。これにより13B型ターボの大パワーを受け止めつつ、不要なトラブルからも解放されるのだという。またミッション換装の際にはマウントをワンオフして搭載位置を調整し、シフトレバーは純正位置とした。この配慮により、コンソールへの加工が不要になったばかりか、ドライビングポジションの変化もなくなり、違和感のないドライビングを楽しめるようになった。

 エンジンルームの狭いSA22Cに大パワーエンジンを搭載したことにより、熱対策にも気をつかっている。ボンネットはERC製のJSSエアロボンネットで、これは実際にJSSレース参戦車両にも使われていた物。SA22Cに最適な負圧域とダクト数が計算された、排熱効果の確かなモデルだ。またバンパースポイラーはTWRタイプを装着するが、開口部にあったバーをカットして空気流入量をアップ。開口部奥にあるインタークーラーの冷却効果を向上させている。

 フロントの足回りはR31スカイライン用ストラットにAE86用TRD製ショックの組み合わせ。ブレーキもフロントはR32タイプMキャリパーとRB1オデッセイ用のローターを流用しており、こうしたパーツ流用を駆使してリーズナブルに仕上げているのもポイント。というのも、このSA22Cは440psのターボユニットを搭載しつつも、その使用範囲はあくまでストリート。チューニングカーでありつつ、快適な日常使用を重要視した1台なのだ。

12A型ターボからFC3S用13B型ターボへと載せ換えられたエンジンなど【写真6枚】




 ロータリーチューンといえばポート加工に行き着くが、RSパンテーラが独自に施しているポート加工が「NEOサイド」と呼ばれる手法だ。これはRX-8用のRENESISエンジンの吸気ポート形状を、13B型用ハウジングの吸気ポートに流用するもので、吸気量が大幅に上がることにより、過給に頼らずともエンジン自体の出力が大幅に向上するということだ。

 左のハウジングがFD用で、右がRX-8用。ハウジング上部の吸気ポートの大きさを比べると、右側のRX-8用ハウジングの方が格段に大きくなっていることが分かるだろう。


1983年式 マツダ サバンナ RX-7 SE リミテッド 主要諸元 Specifications
●ボディ : ERCエアロボンネット、TWRバンパースポイラー改
●エンジン : FC3S用13B型ターボエンジン換装、NEOサイドポート加工、ターボネティクス製タービン、純正CPU+FコンVプロ制御
●駆動系 : FC3S用5速ミッション換装、プロペラシャフト加工
●足回り : F:R31用ストラット+AE86用TRDショック R:AE86用TRDショック
●ブレーキ : F:R32タイプM用キャリパー+RB1用ローター
●タイヤ : ダンロップDIREZZAスポーツZ1 F:195/50/15 R:205/50/15
●ホイール : RSワタナベRS8 15インチ
●内装 : ブリッド製セミバケットシート、momoステアリング、大森製水温、油温、油圧計、ほか

初出:ノスタルジックヒーロー 2014年4月号 Vol.162(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1983年式 マツダ サバンナ RX-7 SE リミテッド(全3記事)

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photo : AKIO HIRANO/平野 陽 text : TAKAYOSHI SUZUKI/鈴木貴義

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