外観はノーマルのまま機関はモディファイ! 「レストモッド」のメルセデス|1969年式 メルセデス・ベンツ250SE Vol.1|エンジンスワップでよみがえったクラシック・ビークルたち

「縦目」と呼ばれる世代のメルセデスは、そのクラシカルなフォルムで人気が高い。

       
【1969年式 メルセデス・ベンツ250SE Vol.1】

 「レストモッド」とは、「レストア」と「モディファイ」を掛け合わせた言葉で、アメリカのカーホビーの世界から生まれた言葉だ。すべてオリジナル重視でよみがえらせる「レストア」に対し、「レストモッド」は外観はストックのままで機関にはモディファイを加える手法なので、実際にクルマに乗って楽しみたいオーナーにとってはよい選択肢となる。このメルセデスも、そんな考え方にのっとって製作された1台だ。

 日本旧車ですらこの日本に住んでいてパーツ確保に苦労するくらいなので、輸入旧車に乗っていた場合、継続的に維持しようと思うと、そこに掛かる負担はさらに増すことは避けられない。アメリカ車のように、ヴィンテージカーのレストア&カスタムがビジネスとして盛んであれば部品の入手も容易だが、それがヨーロッパ車となるとそこまで発達した市場はなく、今後古いクルマをどう乗り続けていくかという問題は、洋の東西を問わず共通の悩みであることが分かる。

 いわゆる「縦目」と呼ばれる世代のメルセデスは、そのクラシカルなフォルムで人気が高いが、クラシック故にそろそろクルマとして日常使用するには辛い個体も増えてきた。中古車としての車体価格はこなれてきたが、40年以上たったヨーロッパ車のパーツを確保しつつ乗り続けるのはなかなか至難のワザ。縦目を今後どう乗っていくかと考えた場合、この取材車両のようなウルトラCも有効なプランとして考えられる。それは国産エンジンへのスワップだ。

「外観ノーマル」がテーマにそった、ロゴが大きめに入ったしゃれたデザインの純正キャップなど【写真5枚】



Vol.2、Vol.3に続く

1969年式 メルセデス・ベンツ250SE 主要諸元
●エンジン:2JZ-GE型、コア増しラジエーター
●駆動系:15系クラウン用4速AT
●ブレーキ:100系マークII用マスター
●タイヤ:ミシュラン・エナジーセーバー(195/70R14)
●インテリア:15系クラウン用エアコン移植

初出:Nostalgic SPEED 2014年11月 Vol.005(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1969年式 メルセデス・ベンツ250SE (全3記事)

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text : TAKAYOSHI SUZUKI/鈴木貴義 photo : AKIO HIRANO/平野 陽

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