ボンネットがあって2トン積みも! 60年代の日産プリンスのトラック|1968年式 日産 プリンス ライトマイラー Vol.1

ライトマイラーを維持していく中で、トラブルを自分で解決できずに悔しい思いをした経験もあって整備士(山口自動車)に転職した小林悠太さん。今ではほとんどを自分でメンテナンスしている。2013年10月にお台場で再結成したカークラブ「PMC(プリンスモータリストクラブ)」に所属。

       
【1968年式 日産 プリンス ライトマイラー Vol.1】

 日本経済が飛躍的に成長を遂げた高度成長期に生産されたクルマは、各自動車メーカーがお互いに競い合いながら開発を行い、性能や装備を日々進化させていた。それは乗用車だけでなく、商用車ももちろん同じこと。当時の自動車専門誌では商用車を取り上げることはほとんどなかったが、この頃に多くの中型トラックが誕生している。

 プリンスは1957年にマイラーをデビューさせ、日産は56年にジュニアを販売、トヨタは59年にスタウトを販売開始した。当時の中型トラックは、いわゆるダットラやハイラックスよりもひと回り大きく(5ナンバーフルサイズ)、積載量もダットラなどが最大で1tだったのに対し、1.5〜2tと、重量物を運ぶことができた。

 また当時、ジュニアのシャシーを使ってキャブオールが、スタウトのシャシーを使ってダイナが作られるなど、中型トラックならではの頑丈な下回りを用い、キャブオーバータイプのトラックも作られていた。キャブオーバー型のほうがエンジンをシート下に置いてボンネットがいらなくなるため、荷室長を稼ぐことができたのだ。今では2トンクラスのトラックといえばキャブオーバーがメインだが、当時はまだボンネット型トラックが多かった。

Vol.2、Vol.3に続く

根元にポジションランプが埋め込まれた一体型タイプのT44マイラー専用のフェンダーミラーなど【写真9枚】

1968年式 日産プリンス ライトマイラー(T446L-1)主要諸元
●全長4675mm
●全幅1690mm
●全高1665mm
●ホイールベース2865mm
●トレッド前1390/後1380mm
●最低地上高190mm
●荷台内側寸法長2245mm
●荷台内側寸法幅1590mm
●荷台内側寸法高420mm
●車両重量1325kg
●乗車定員3名
●最高速度105km/h※125km/h
●登坂能力sinθ0.452
●最小回転半径5.4m
●エンジン型式R型
●エンジン種類水冷直列4気筒OHV
●総排気量1595cc
●ボア×ストローク87.2×66.8mm
●圧縮比8.0:1
●最高出力75ps/5200rpm
●最大トルク12.5kg-m/3200rpm
●トランスミッション型式前進4段後退1段オールシンクロメッシュ※前進4段+O.D.後退1段オールシンクロメッシュ
●変速比1速5.429/2速3.048/3速1.780/4速1.000※O.D.0.820/後退6.544
●減速比6.428:1
●燃料タンク容量45L
●サスペンション前/独立懸架トーションバー式/後半楕円板バネ
●ブレーキ主/デュオサーボ/補助手動式機械内拡式推進軸制動
●タイヤ前6.50-14-6PR LT1.75/後6.50-14-8PR LT4.25
●発売当時価格60万円 ※前進4段+O.D.変速機(注文仕様)

初出:ノスタルジックヒーロー 2014年2月号 Vol.161(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

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photo : MASAMI SATO/佐藤正巳

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