ランタボ vs ランエボ Vol.2|53台を輸入! 国内仕様にはなかった2Lターボ搭載!|1988年式 三菱 ランサー 2000ターボ(A176)

ボクシーな正統派のセダンボディこそ、ランタボの魅力。

       
【ランタボ vs ランエボ Vol.2】

 デビューから30年以上経った今でも、多くのファンから愛され続けるランタボことランサーターボ。ベースとなったのは79年にデビューしたランサーEXで、81年にターボモデル、つまりランタボが初めて設定されたのだ。当時「フルラインターボ」を目指していた三菱は1.8LのG62B型にターボを装着して135psを発揮。サスペンションやブレーキも強化され、スポーツセダンとして確固たる地位を築いた。そして83年のマイナーチェンジでは大型エアダムが装着され、ターボエンジンにはインタークーラーを追加。最高出力は160psまでアップし、さらにファンを増やしていったのである。

 そんなランタボファン永遠の憧れが、EC仕様と呼ばれる輸出モデル。一見すると国内仕様の後期モデルと大差ないが、グリルのデザインやテールランプなど、細部が異なることに気づく。そしてエンジンは国内仕様の1.8Lターボに対し、2Lターボの4G63型を搭載。インタークーラーこそ付いていないものの、最高出力は170ps(DIN)を発生した。ただし、触媒もEGR装置も付いていなかったため排ガス規制に適合せず、やむなく輸出専用モデルとなってしまったのだ。

 そんなEC仕様だが、じつは国内にも並行輸入されていたことを知っているだろうか。菱時商事という三菱系の会社が53台輸入し、東京三菱自動車販売、愛知三菱自動車販売、テスト&サービスの3カ所で販売。しかし、当時の価格はおよそ400万円。高価なだけに、限定車といえども即完売というようなことはなかったのだという。

 こんな希少なEC仕様。ファンが行き着く所は、ここしかないようだ。


NGKのプラグコードやMSDのほか、HKSのコンカムも装着されたエンジンや、大型のTC06‐11Aタービンなど【写真8枚】

ランタボ vs ランエボ記事一覧(全5記事)

1988年式 三菱 ランサー 2000ターボ(A176)主要諸元
全長×全幅×全高(mm) 4225×1610×1390
ホイールベース(mm)  2440
トレッド前/後(mm)  1375/1355
車両重量(kg)  1075
エンジン型式  4G63型
エンジン種類 水冷直列4気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 1997
ボア×ストローク(mm) 85.0×88.0
圧縮比 7.6:1
最高出力(ps/rpm) 170/5500
最大トルク(kg-m/rpm) 25.0/3500
変速比 1速3.740/2速2.136/3速1.360
4速1.000/5速0.856/後退3.535
最終減速比 3.545
ステアリング ボール&ナット式
サスペンション前/後 前ストラット式/後4リンク式
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 175/70R14(前後とも)
発売当時価格 およそ400万円


1995年式 三菱 ランサーGSRエボリューションⅢ(CE9A)主要諸元
全長×全幅×全高(mm) 4310×1695×1420
ホイールベース(mm)  2510
トレッド前/後(mm)  1465/1470
車両重量(kg)  1260
エンジン型式  4G63型
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 1997
ボア×ストローク(mm) 85.0×88.0
圧縮比 9.0:1
最高出力(ps/rpm) 270/6250
最大トルク(kg-m/rpm) 31.5/3000
変速比 1速2.750/2速1.684/3速1.160
4速0.862/5速0.617/後退3.166
最終減速比 5.358
ステアリング ラック&ピニオン式
サスペンション前/後 ストラット式/マルチリンク式
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 205/60R15(前後とも)
発売当時価格 296.8万円

初出:ハチマルヒーロー vol.18 2012年7月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ  photo : ISAO YATSUI/谷井 功(A176)・ MAKOTO INOUE/井上 誠(CE9A)

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