初代セリカ譲りのエンジン搭載で84.1万円! 前後にオーバーフェンダーを持つ迫力ある外観で、クルマ好きたちを虜に|1972年式 トヨタ カローラクーペ・レビン 1600 Vol.1

72年8月のマイナーチェンジで、クーペは皆この表情になる。レビンを示すエンブレムはない。

       
日本に大衆車の文化を花開かせた、初代カローラの登場から3年半がたった1970年5月。フルモデルチェンジにより、2代目KE20系カローラがデビューした。

初代よりひとまわり大きなボディを持つ20系カローラは、1.2Lの3K型エンジンでスタート。70年10月に新開発の1.4LのT型エンジン搭載車を追加して、ラインナップの充実を図った。

71年4月、1.4Lシリーズの中にSL、SRというスポーツライクなグレードを用意。ツインキャブのT‐B型エンジンを搭載し、流線型フェンダーミラーを装着するなど、クルマ好きな若者たちの興味の的となった。

しかしトヨタは、この後のカローラに強力な隠し球を用意していたのだ。


 1970年12月、初代セリカが登場する。


「フルチョイスシステム」を売り物に、スペシャルティーカーのブームの先鞭を付けた。セリカのトップグレードである1600GTには、T型エンジンをベースにボアを拡大、DOHC化した2T‐G型エンジンを搭載。翌71年4月にはカリーナ1600GTにも載せたこのスポーツユニットを、軽量なカローラに移植することにしたのだ。

 こうして1972年3月にデビューしたのが、カローラクーペ・レビン1600だった。姉妹車のスプリンタークーペにもトレノ1600を用意。TE27の型式が与えられたレビン&トレノは、前後にオーバーフェンダーを持つ迫力ある外観で、クルマ好きたちを虜にした。


取材車両は、1972年8月のマイナーチェンジでフロントグリルまわりのデザインやフードのプレスラインが変更された後期型の個体。ボディカラーはレビン後期型では前期(通称:中期型)の間だけ設定されていたモンテローザオレンジだ。


前後にオーバーフェンダーが張り出したレビン独特のフォルムは、クルマ好きたちのハートをがっちりつかんだ。


レビンとトレノでは、リアコンビネーションランプの色分けが異なっている。


レビンのエンブレムがフェンダーに装着された。


レビンの象徴であるオーバーフェンダー。スチールホイールに装着されたタイヤサイズは175/70R13で、ファイアストン製のFR10をチョイス。


エンジンルーム内の右側パネルに装着される型式プレート。カラー308はモンテローザオレンジを表す。


無反射ガラスが入ったメーターと黒シボのメーターパネルを装着。油圧計、油温計、電流計の3連メーターが付く。


レザータッチの5速シフトノブ。


吊り下げ式のアクセルペダルとフットレストが標準装備。ゴムマットは当時物。

72年式 トヨタ カローラクーペ・レビン 1600(TE27- MQ)
●全長3955mm
●全幅1595mm
●全高1335mm
●ホイールベース2335mm
●トレッド前/後1270/1295mm
●車両重量855kg
●乗車定員5名
●最高速度(推定)190km/h
●登坂能力tanθ0.71
●最小回転半径4.8m
●エンジン型式2T-G型
●エンジン種類水冷直列4気筒SOHC
●総排気量1588cc
●ボア×ストローク85.0×70.0mm
●圧縮比9.8:1
●最高出力115ps/6400rpm
●最大トルク14.5kg-m/5200rpm
●変速機形式前進5段オールシンクロメッシュ
●変速比1速3.587/2速2.022/3速1.384/4速1.000/5速0.861/後退3.484
●最終減速比4.300
●ステアリング形式リサーキュレイティング・ボール式(18.1:1)
●サスペンション前/後マクファーソン・ストラット式コイルスプリング/非対称半楕円リーフスプリング
●ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング
●タイヤ前後とも175/70HR13
●発売当時価格84.1万円

掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年12月号 Vol.154(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Isao Yatsui/谷井 功

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