フルレストアGT-R仕様のエンジンはL20型改|71年式 日産スカイラインHT 2000 GT Vol.2

       
完璧なGT-R仕様を求めるがゆえ、貴重な本物のGT‐R用リアフェンダーを装着している、71年式 日産スカイラインHT 2000 GT。

 リアフェンダーだけでなく、フロントグリルや全面白ガラスなども、本物のGT-R用だ。

 そして、前後バンパーやエンブレム類、キーシリンダー、ドアハンドル、ゴム類など、新品パーツが惜しげもなく投入されているのだ。

 ここまで完璧にGT‐Rを再現されると、それこそレストアしたGT‐Rと見た目は変わらない。エンジンルームを開けて見てみないことには、GT‐Rだと信じてしまうような仕上がりなのだ。


 この完璧なGT‐R仕様のボディに搭載されるエンジンは、こだわりのL20型。あえてL28型改などに換装せずに、ノーマル排気量のL20型を搭載。ただし、ピストンやコンロッド、クランクなどはノーマルをバランス取りし、強化バルブスプリングを投入。ヘッドの修正面研、ポート加工などを行い、豊富なノウハウを元に、きっちりと組み上げられている。

また、吸排気にはソレックス40PHHとステンレスタコ足を装着。これらの作業によって、高回転まで気持ちよく回っていくL20型エンジンに仕上がっている。しかも、全パーツ類はポリッシュ加工が施されているため、ボンネットを開けた時の印象はノーマルとは比べものにならない。

 インテリアにおいても、GT-R用コンソールやシフトノブ、ダッツンンコンペハンドルを採用するなど、GT-R仕様を探しているユーザーにとっては、まさに至れり尽くせりの状態だ。


バンパー、ウインカーなどは新品パーツが使われたフロントまわり。グリルはGT-Rの本物で、フロントスポイラーはプロテック製。ヘッドライトは当時物のマーシャル製が装着されている。この写真を見る限りでは、GT-Rとしか思えない。


ダッツンコンペステアリングにGT-Rのホーンパッドを装着。ダッシュボードはスピーカー部分が四角形の当時のオリジナルだ。


メーターは、純正をそのまま採用。というのも、71年は針が白いタイプで、72年からオレンジの針になるため、年式にこだわってそのまま装着している。


エンジンルームは各パーツや配管、配線を整然とレイアウト。各部がポリッシュ仕上げされているが、目を引きつけるのはキャブのファンネル。これはゴールドメッキではなく、真鍮製とのこと。


あまり目に付かないところだが、クランク、ウォーターポンプ、オルタネーターのプーリーは、ブルーに塗装してエンジンルームのイメージとコーディネート。冷却ファンのカップリングやファンもレストアして塗装することで新品のように生まれ変わった。


エンジンルーム右側に装着されたホーリー製燃圧レギュレーターも磨き上げられている。



掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年8月号 Vol.152(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Kazuhisa Masuda/益田和久

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