【長谷見昌弘×柳田春人 4】膝でステアリングを押さえてブルーバードターボを走らせた|N2dレジェンド・ドライバーズ トークショー Vol.4

久しぶりにブルーバード・シルエットの隣に並び、レーシングスーツ姿で写真に収まる柳田春人。現在もセントラル20を率い、サーキットのスポーツ走行などのイベントも企画する。

もっとも長い期間、シルエット・フォーミュラに乗った柳田も長谷見と同じように苦労した思い出を語った。

「ステアリングがメチャクチャ重く、キックバックもきつかった。これには参ったね。最終コーナーでステアリングを切るとキックバックが出て、蹴り返されてしまうんだ。だからステアリングが戻されないように押さえつけるのが大変だった。膝でステアリングを押さえ込んで、戻らないようにしていたんですよ。今のマシンはパワーステアリングが付いているからラクだよ。

 しかもコクピットは熱がこもって頭がクラクラしてしまうほどだった。今はクールスーツを着てレースをするからいいよね。今の若いドライバーがスーパーシルエットを運転したらビックリすると思うよ。体力のないドライバーは運転できないクルマだよ。

 それと、メカニズムの信頼性も今一歩だったね。耐久性が乏しかった。エンジンとトランスミッションは40周くらいしか持たなかった。耐久性がないから多くのパーツをレースのたびに換えていたよね。エンジンはとくにデリケートで、予選を走り終えると新しいものに換装して、決勝に臨んだんです。ミッションも弱かったな。今では考えられないことですよ」と、30年前に乗った扱いづらいシルエット・フォーミュラの思い出を熱っぽく語った。

 長谷見と柳田、2人のビッグネームの体験談は面白く、アッという間に1時間の予定時間を過ぎてしまった。あの当時、スリリングなマシンを操り、危険な個所がたくさんあるコースを全開でコントロールしたのだから驚きだ。トークショーの最後に柳田は、

「こんなにたくさんの人が耳を傾けてくれたことにビックリです。皆さん、ぜひサーキットに来て、実際に自分でコースを走ってください。とてもいい勉強になると思います」と、サーキットを走ることのすすめを説いた。

 長谷見は、今シーズン、日産の育成プログラムで2人のF3チャンピオンをGT‐Rに乗せ、スーパーGTを戦うことを表明している。

 時代は大きく変わったが、レースを見る楽しみ、サーキットを走る面白さは、今も昔も変わらない。




84年は、再びコカ・コーラカラーで登場。ただし、82年の真っ赤から、白にストライプの入ったコカ・コーラ・ライトカラーとなった。カッティングシートを張るのに難儀したと告白。

掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年6月号 Vol.151(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text : Hideki Kataoka/片岡英明 photo : Motosuke Fujii/藤井元輔

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