セヴン・バーチカル・バーが歴史を伝える。黄金時代に君臨し、語り継がれる傑作車 |アストン・マーチン DB5 Vol.3

アストン・マーチン DB5の美しきバンパー。

       
●64年式 アストン・マーチン DB5

世界ー有名なスパイ 007のクルマ

アストン・マーチンの中でも群を抜いて名前が知れられているDB5だが、それは英国のスパイ映画007シリーズの『ゴールドフィンガー』に登場したことが大きい。

 ジェームズ・ボンドを演じ、そのイメージを確立させたショーン・コネリー同様、「ボンドカー」というもののイメージを確立したのがDB5だったといえるだろう。



関連記事:ボンドガールに代わり、カツラを被って2000GTオープンを運転|レーシング・ドライバー大坪 引退の顛末 Vol.2


 その後の『サンダーボール作戦』や5代目ジェームズ・ボンド役のピアーズ・ブロスナンが主演した『ゴールデンアイ』などでも印象的な場面で登場している。

 そして007シリーズ23作目にあたる『スカイフォール』では、メインのボンドカーとしてDB5が登場。これは、監督のサム・メンデスの強い要望で実現した。

 残念ながら監督が要求する『ゴールドフィンガー』で使用したクルマはフロリダ州ボカラトン空港で盗難に遭い消失していたが、代わりに『サンダーボール作戦』で使用したDB5が使われた。

 もちろんナンバープレートは『ゴールドフィンガー』時のものに付け替えられている。 この映画公開により世界中で再びDB5へ熱い視線が集まった。


1964年式 Aston Martin DB5

●ボディカラー シルバーバーチ
●全長 4572mm
●全幅 1676mm
●全高 1321mm
●ホイールベース 2489mm
●トレッド 前1377/後1359mm
●車両重量 1466kg
●乗員定員 4名
●エンジン種類 水冷直列6気筒DOHC
●総排気量 3995cc
●ボア&ストローク 96.01×91.9mm
●圧縮比 8.9:1
●最高出力 282ps/5500rpm
●最大トルク 39.8kg-m/3850rpm
●ブレーキ 前後ともディスク
●タイヤ 前後とも6.70-15




ホイールはエイボンのスポーク式。ブレーキは2系統となっている。







フューエルリッドは左右両側にある。それぞれのタンクは別になっており、片方がリザーブタンク代わりとなる。




美しきバンパーの造型。ライトカバー付きのヘッドライトはガラス製。グリルはDB4最後期モデルを踏襲したセヴン・バーチカル・バーを採用する。



リアバンパーも、うねるような曲線が特徴。DB4とDB5の区別は難しいが、DB6はバンパーの形状が大きく異なる。




オーナーの尾花さんが社長を務めるホテル一乃館は広大な敷地を持つ、1920年創業の老舗高級ホテル。近年は尾花社長の手で、ロビーにあつらえた暖炉やアンティーク家具、玩具などをセンス良く配置。DB5アイテムも数多く展示されていた。



掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年12月号 Vol.154(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Daijiro Kori/郡 大二郎

RECOMMENDED

RELATED

RANKING