【1979年式 日産 ガゼール 2000XE-Ⅱ(S110) 1】
本誌読者の場合、ガゼールはドラマ「西部警察」のイメージが強い人が多いだろう。石原裕次郎の雰囲気に合わせ、オープンカーに改造された車両で、カタログイメージのボンネットグラフィックが印象的だった。 ドラマで使用されたのは今回の撮影車両と同じ、前期型の2000XE-Ⅱ。79年にモデルチェンジされたS110シルビアと同時に登場した。それまでのシルビアより若者向けとなり、比較的買いやすくなったシルビアに対して、高級感のある兄弟車として設定されたガゼールは当時考えられる限りの最新鋭技術が投入され、特に最高級モデルであった2000XE-Ⅱには、日本初となるドライブコンピューターが搭載された。
そのためシルビアの販売店を比較的大衆車が多い日産サニー店(のちの日産サティオ店で現在はレッドステージ)とし、ガゼールの販売店はセドリックなど高級車が多い日産モーター店(現ブルーステージ)としていた。 販売店などでの違いは出したものの購買層が大きく変わるほどではなく、価格も大きな違いはなかった。そのため、大ヒットモデルとなったシルビアに対して、若者へのアピールが不足していたガゼールの売り上げはかんばしいものではなかった。
ガゼールとシルビアの外観の違いはフロントグリルとリアコンビランプ。さらにメッキパーツの多用がガゼールの特徴となっている。 81年のマイナーチェンジ時には当時の流行であったデジタルメーターを搭載した2000XE-Ⅱ・Gが登場。またターボエンジンも投入された。
>> 【画像15枚】一窓集中の概念から、インパネに情報が詰まっている。のちにデジタルメーターも登場するが、それ以前のクルマとしては、これほどきらびやかなメーター類は当時存在しない。また大きな特徴としては6種類の計算ができるドライブコンピューターがXE-Ⅱのみメーカー純正オプションとして選択できたこと。能力的にはMacintosh登場以前でもあり、優れた計算機程度の能力ではあるが、車速設定なども可能で、ちょっとしたラリーでも使用可能なレベルだった【2】に続く>> ガゼールの名称の元となったガゼル (Gazelle) のツノをイメージしたエンブレム。発売時の6車種15タイプの全車でガゼルをイメージしたボンネットグラフィックがオプションで選択することが可能だった。
>> サイドのグラフィックスは本来存在せず、モールの下側に付いたエンブレムのみ。ロゴは前オーナーが貼っていたものを西部警察のガゼールオープンで使用されたものと同じフォントで製作し直したカッティングシート。もっとも初期型は単色のみで2トーンは設定されていない。こちらも前オーナーが独自にペイントしたもの。
【2】に続く
1979年式 日産 ガゼール 2000XE-Ⅱ●全長×全幅×全高(㎜) 4400×1680×1310
●ホイールベース(㎜) 2400
●トレッド(㎜) 1345/1345 (前/後)
●車両重量(㎏) 1105
●エンジン型式 Z20E型
●エンジン種類 直列4気筒SOHC
●総排気量(㏄) 1952
●ボア×ストローク(㎜) 85.0×86.0
●最高出力(ps/rpm 120/5600
●最大トルク(㎏-m/rpm) 17/3600
●サスペンション 前マクファーソン ストラットコイル/ 後4リンク リジッドコイル
●ブレーキ 前後ともディスク
●タイヤサイズ 前後とも 185/70SR14
初出:ハチマルヒーロー vol.45 2018年 1月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
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