4ドアハコスカGT-R【3】ワークス部品✕渡辺チューンの融合! 2つの魂が重なる理想のPGC10 |特別なGT-Rの称号|1969年式 日産 スカイライン 2000 GT-R

元色はシルバーだが、1987年に鈴鹿塗料に純正の赤指定で全塗装されたボディカラーは少し明るく見える。色ツヤもあり美しい状態

【2】から続く

【1969年式 日産 スカイライン 2000 GT-R Vol.3】

【画像15枚】タコメーターは機械式ユニットを使ったプリンススポーツコーナー製。1から5まで数字が小さく、6から9までの数字が大きい。水温と油圧計はKS製。

GT-Rサービスワタナベに、オーナーはひと踏みで渡辺チューンのとりこになった。
その後、2000年にはついに念願のファクトリーパーツを使ったドライサンプ化を依頼。その後、バルブ周辺の修理を経て、17年には待望のチタンコンロッドを組み込むために2度目のオーバーホールを行うなど、エンジンはあこがれのワークス仕様に近づいた。

「最後となった17年の作業は、エンジンだけでなく、足まわりも全部バラしてサビ対策をし、各部品の再メッキ処理などを施してもらい、新車のような状態にしてもらいました。困ったのは『GT‐Rのヒーターはオプションだから』と取り外されたことです。仕上がったのは2月だったので、帰り道は凍えるような寒さでした」と笑うオーナー。

結果、このPGC10の全てに渡辺さんの手が入った最後のGT‐R=遺作となったが、この巡り合わせは偶然ではなく、必然だったように思う。ワークスパーツとGT‐Rの神様が手掛けた夢の結晶。2つの魂を継承し、オーナーはこれからも走り続ける。


>>マッハのステアリング以外は、ノーマル然としているコックピット。ミッションはオプション1が組み込まれている。


>>シートは運転席がダッツンバケットシートで、助手席にはZ432R用を装着。運転席のシートベルトは純正のTAKATA製で、助手席はシュロス製だ。



>>タコメーターは機械式ユニットを使ったプリンススポーツコーナー製。1から5まで数字が小さく、6から9までの数字が大きい。水温と油圧計はKS製。

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主要諸元 SPECIFICATIONS
1969年式 日産 スカイライン 2000 GT-R(PGC10)

■ボディ:FRPボンネット&トランク、CIBIE製ヘッドライト(ロービーム)、Z432R用フィラーキャップキー、ワインレッドオールペイント(元色シルバー)
■エンジン:直列6気筒DOHC S20型、レース用Lカム(300度、IN/EX10.0)、ワークス用バルブ(バルブシート無鉛加工)/2本リング鍛造ピストン/チタンコンロッド/ドライサンプシステム/大容量オイルパン/ルーカスメカニカルインジェクション用機械式タコメーターユニット、クランクバランス取り
■️吸排気系:ウエーバー45DCOE9、70mmファンネル、アルティア製ステンレスマフラー(メインφ60mm、テールφ45mm)
■点火系:ワークスCDイグナイター(ホワイト)、ワークス用ディストリビューター、レース仕様プラグホール&プラグキャップ、アリアント製ドライバッテリー
■️冷却系:NP35製ワークス仕様の3層ラジエーター
■駆動系:レース用ノンアスベストクラッチ、レース用オプション1ミッション、R192アルフィンデフカバー&レース用4ピニオンLSD(4.875ファイナル)■燃料系:ニスモ製燃料ポンプ×2機
■サスペンション:ワークス鈴鹿仕様(専用ラバー付き)、レース用スタビライザー(F)φ24mm (R)φ12.7mm
■ブレーキ:(F)MK63 4ポットキャリパー+φ280mmローター (R)アルフィンドラム
■その他:レース用ステアリングギアボックス(レシオ15.2)
■タイヤ:ヨコハマ アドバン ネオバAD07 (F)195/55R15 (R)205/55R15■ホイール:RSワタナベ8スポーク(F)15×6.5J (R)15×8J
■インテリア: レース用ワイドミラー、RSマッハ製ステアリング、ワークス用機械式タコメーター(プリンススポーツコーナー)、KS製サブメーター(水温、油圧)、ダッツンコンペシート(運転席)、Z432R用バケットシート(助手席)、ワークス用TAKATA4点式ハーネス(運転席)、シュロス製4点式ハーネス(助手席)

【1】【2】から続く

初出:ノスタルジックヒーロー vol.197 2020年2月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
1969年式日産スカイライン2000GT-R(全3記事)

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