【前編】から続く【サーキットの狼世代へ スーパーカーの饗宴|ディノ246GT【後編】】
【画像16枚】ホイールアーチに連続したボディーラインでつながるヘッドライト部分。美しい曲線と大胆な切り込みの組み合わせにデザインの奥深さを感じる「サーキットの狼」沖田の愛車だったディノ246GT。
沖田の死後、主人公・風吹裕矢に引き継がれる。
風吹が極道連にからまれた時には、ディノを操って、圧倒的なスピードで振り切る。その走りを見た極道連総長は、風吹を認めるようになり、以降、レースなどの活躍を応援するようになった。
その後、ディノは改造されてヤタベRS(当初はディノRS)となり、本格的にレースに参戦することになるが、沖田の思いを引き継いでいたのは、主人公の風吹だけでなく、多くの読者も同じこと。
レース展開の一喜一憂に心をおどらせ、クルマという対象物がものでなくなってくる感覚。多くの少年の心に、クルマへの敬愛がうまれていた瞬間だ。
ディノは比較的コンパクトな印象を受ける。エンジンはV6の2418cc。エンジンを横置きにして、室内、トランクルームのスペースを確保。オンロードを想定した設計で、普段使いしやすい仕様となっていた。
それまでのV12エンジンのシリーズとは別のラインナップとして、ディノの名が掲げられている。それまではフロントエンジン、リア駆動がメインストリームだったフェラーリにおいて、本格的な量産モデルとしてのミッドシップエンジンモデルの地位を築く、スタート地点にあったのが、このディノであったのだ。後に308、328と進化していき、スモールフェラーリとして人気が出たモデルでもある。
この246GTは初代ディノの206GTの次に出たモデル。当時のライバル車両に対抗するためもあって、エンジンを2.4リットルにパワーアップしている。同時に日本国内への輸入が開始されており、ディノといえばこの246を思い描く人も多いことだろう。
>>太いパイプ形状のリアコーナーバンパーが印象的。初期型はバンパーに左右1つずつバックライトが付いていたが、センターに1カ所に変更。
>>エンジンリッドのリア側がトランクリッド。トランクルームは深さがあり、積載容量も大きい。
>>コンパクトな横置きミッドシップエンジン。前後の省スペース化が可能となり、リアのトランクスペースと居住スペース拡大のためのスペースを確保できた。エンジンブロックはコスト削減のための改良が加えられていた。
>>ストイックさをそれほど感じないインテリアデザイン。落ち着きのあるカラーリングで、街乗りでも違和感のない作り。
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ディノ246GT全長×車幅×全高:4240×1652×1135mm
ホイールベース:2340mm
トレッド 前/後:1425mm/1430mm
車両重量:1080kg
エンジン:65度V型6気筒DOHC 横置きミッドシップ
総排気量:2418㏄
最高出力:195ps/7600rpm
最大トルク:23.0kgm/5500rpm
生産年:1971~1974年
生産台数:3761台(内GTB2487台)
生産国:イタリア
※スペックは池沢早人師ミュージアムに準じる。
【前編】から続く初出:ノスタルジックヒーロー 2019年 12月号 Vol.196
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
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