それまでのクルマ漫画とは異なる、チューニング系クルマ漫画の草分け的存在として知られる『よろしくメカドック』。連載が終わってから30年以上たった今でも、ハチマル車ファンたちに語り継がれている名作だ。ここでは、『よろしくメカドック』の生みの親・次原隆二先生のインタビューをお届けする。
【「よろしくメカドック」次原隆二スペシャルインタビュー Vol.10】
【画像14枚】クルマ漫画を代表する名作のひとつ「よろしくメカドック」の生みの親、次原隆二先生露崎のソアラは、ナベさんの師匠というポジション、そしてZよりも格上、ということを考慮して選びました。
あとシティターボは、ずんぐりむっくりな感じが中村一路のキャラクターにあっていたからでしょうか。こう考えると、キャラクターに合わせてクルマを当てはめていた感じがあります。あと、ピアッツァは好きだった。とくにスタイリングがね」。
では、アニメ化やミニカーの商品化に際して、ボディカラーが変更されている車種もある。これに関しては?
「セリカXXはアニメで赤になりましたが、もとは白黒のパトカーカラーです。グレーサーZも本来は白黒なんですよ。ただ、陰を付けるときにちょっと水色を付けたりしたんですが、それがあのボディカラーとして認識された発端ですね。あとCR-Xは、みなさんオレンジの印象が強いようですが、本来は朱赤なんです。ただ、皆さんがオレンジでイメージを持ってくださるのであれば、それはそれでいいかなと」。
これは初耳……という読者も多いはず。先生が実際に思い描いていた色とは違う色で、多くの読者に認識されていたようだ。
メカドックを改めて読み返してみると、新たな発見があることに気付く。それは、次原先生が漫画を通してクルマの楽しさやメカニズムの奥深さを、読者である少年たちに伝えたかったということ……だ。
次原隆二(つぎはら りゅうじ)1958年福岡県生まれ。80年に週刊少年ジャンプの『暴走ハンター』でデビュー。82年には同誌で『よろしくメカドック』の連載を開始。クルマ好きの少年たちから絶大な支持を集めた。代表作として、『日本国初代大統領 桜木健一郎』『ロードランナー』『レストアガレージ251車屋夢次郎』『内閣総理大臣 桜庭皇一郎』などがある。
【9】から続く初出:ハチマルヒーロー vol.044 2017年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
「よろしくメカドック」次原隆二スペシャルインタビュー(全10記事)