ハイウェイ時代の新たなRE専用車【1】独特の丸形4灯マスク。意外な車名の由来とは?|1971年式 マツダ サバンナGSⅡ

1971年式 マツダ サバンナGSⅡ

       
【マツダの100年 1971年式 マツダ サバンナGSⅡ vol.1】

 東洋工業(現・マツダ)が社運を掛けて開発したロータリーエンジン(以下RE)車、コスモスポーツが発売されたのは1967年5月。レシプロエンジンとは異なる独特の回転フィーリングが楽しめるRE搭載車の量産化成功は、世界初の快挙だった。そして迎えるハイウェイ時代にあわせ、REの普及を一気に進めるため、マツダはRE搭載車のラインナップを拡充していく。

 68年7月に、ファミリアロータリークーペ、69年10月には、ルーチェロータリークーペ、そして70年5月にカペラロータリークーペ&セダン、そして5番目のRE搭載車種として71年9月にデビューしたのが、サバンナだ。

 ファミリアやカペラがレシプロエンジン搭載車をラインナップしていたのに対して、サバンナはREのみ。コスモスポーツ、ルーチェロータリークーペに次ぐ3番目のロータリー専用車と位置付けられていた。ボディはグランドファミリアと共通であるため、レシプロエンジン搭載車をグランドファミリア、ロータリー専用車をサバンナとした、同一車種のブランド分けとみなされることもあるが、フロントマスクやテール、インテリアなど、大きく異なる部分も多く、サバンナ独特の丸形4灯マスクの強烈な印象から、同一ボディだと気づいていないファンも多かった。
【画像21枚】サバンナは、大草原を走る猛獣の野生美のイメージに加え、世界初の蒸気船、原子力船がともに「サバンナ」であったに由来する。サイドマーカーは、メッキの台座をわざわざクロームとグレーのペイントで2トーンに仕上げてあるのが前期型の特徴



>>1973年のマイナーチェンジでフロントノーズ中央がとんがった顔つきに変更されるため、この四角いグリルの前期型は希少。グリルの中央には、REのローターをかたどったエンブレムが付く。



>>テールレンズはハウジングが赤く塗られているのが初期型の特徴。トランクにもREのエンブレムが装着。

主要諸元 SPECIFICATIONS
1971年式 マツダ サバンナGSⅡ


全長 4065mm
全幅 1595mm
全高 1350mm
ホイールベース 2310mm
トレッド前/後 1300/1290mm
最低地上高1 65mm
室内長 1700mm
室内幅 1290mm
室内高 1115mm
車両重量 875kg
乗車定員 5名
最高速度 180km/h
登坂能力 tanθ0.61
最小回転半径 4.3m
エンジン型式 10A型
エンジン種類 水冷2ローター・ロータリー
総排気量 491×2cc
圧縮比 9.4:1
燃料供給装置 キャブレター
最高出力 105ps/7000rpm
最大トルク 13.7kg-m/3500rpm
変速比 1速3.737/2速2.202/3速1.435/4速1.000/5速/後退4.024
最終減速比 3.700
燃料タンク容量 60L
ステアリング形式 ボールナット式バリアブルギアレシオ
サスペンション前/後 独立懸架コイルバネ/半楕円形板バネ
ブレーキ前/後 サーボ付ディスク/リーディング&トレーリング
タイヤ 前後ともZ78-13-4PR(6.15-13-4PR)
発売当時価格 75万円

【2】へ続く

1971年式 マツダ サバンナGSⅡ(全3記事)
初出:ノスタルジックヒーロー 2020年4月号 Vol.198

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
関連記事:マツダの100年

TEXT:Nostalgic Hero/編集部 PHOTO:Kiyoshi Nishino/西野キヨシ COOPERATION:筆の里工房

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