ハイウェイ時代の新たなRE専用車【2】コスモスポーツとは素材やポート形状などが全然違う10A型エンジン|1971年式 マツダ サバンナGSⅡ

グレードを表すエンブレムは、Cピラーの付け根のほか、トランクリッドにも装着される。

【1】から続く

マツダのRE搭載車の量産化は、世界初の快挙だった。次なるステップはRE搭載車のナインナップの拡充。ファミリアロータリークーペ、ルーチェロータリークーペ、カペラロータリークーペ&セダン、そして5番目のRE搭載車が今回の取材車両であるサバンナだった。

【マツダの100年 1971年式 マツダ サバンナGSⅡ vol.2】

 71年9月にデビューしたサバンナが搭載したエンジンは、491cc×2ローター・ロータリーの10A型。クーペと4ドアセダンの2つのボディが用意されていた。ちなみ72年1月には、ステーションワゴンボディのスポーツワゴンも追加されている。

 ところで、サバンナに搭載された10A型REは、型式こそ同じ10A型だが、コスモスポーツに搭載されている10A型とは、素材やポート形状など、異なる部分が多くあり、別物といえる。なお、72年9月には、10A型のローターハウジング幅を10mm拡大し、排気量を573cc×2とした12A型エンジン搭載のGTが追加されている。

 撮影車両のGSⅡは、サバンナクーペの最上級グレードで豪華装備が追加されたモデル。初期型では標準車、SX、GS、GSⅡ、セダンでは、標準車、RX、GRがラインナップされていた。
【画像21枚】排出ガス対策済みステッカーは、フロントのサイドウインドー前方に貼られていた。リアクォーターウインドーには旧マツダのロゴとTOYOKOGYOの文字が



>>マツダ5番目のロータリーエンジン搭載車として誕生したサバンナは、当初10A型エンジンのみだったが、1972年に12A型搭載のGTが追加されている。



>>エンジンルームのコーションプレートには、初代オーナーが施したと思われるカバーが付けられていた。大事に乗られていた証だ。

主要諸元 SPECIFICATIONS
1971年式 マツダ サバンナGSⅡ


全長 4065mm
全幅 1595mm
全高 1350mm
ホイールベース 2310mm
トレッド前/後 1300/1290mm
最低地上高1 65mm
室内長 1700mm
室内幅 1290mm
室内高 1115mm
車両重量 875kg
乗車定員 5名
最高速度 180km/h
登坂能力 tanθ0.61
最小回転半径 4.3m
エンジン型式 10A型
エンジン種類 水冷2ローター・ロータリー
総排気量 491×2cc
圧縮比 9.4:1
燃料供給装置 キャブレター
最高出力 105ps/7000rpm
最大トルク 13.7kg-m/3500rpm
変速比 1速3.737/2速2.202/3速1.435/4速1.000/5速/後退4.024
最終減速比 3.700
燃料タンク容量 60L
ステアリング形式 ボールナット式バリアブルギアレシオ
サスペンション前/後 独立懸架コイルバネ/半楕円形板バネ
ブレーキ前/後 サーボ付ディスク/リーディング&トレーリング
タイヤ 前後ともZ78-13-4PR(6.15-13-4PR)
発売当時価格 75万円

【3】へ続く

1971年式 マツダ サバンナGSⅡ(全3記事)
初出:ノスタルジックヒーロー 2020年4月号 Vol.198

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
関連記事:マツダの100年

TEXT:Nostalgic Hero/編集部 PHOTO:Kiyoshi Nishino/西野キヨシ COOPERATION:筆の里工房

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