【1】から続くプロショップ ナカガワが、ハコスカに「OS-FR7」を搭載した。旧車に積まれるのはS30Zに次いで2台目で、ハコスカでは世界初となる。これまでのシーケンシャルドグミッションの概念を一新した、衝撃のないスムーズな操作感が話題の次世代のレーシングミッションは、L型フルチューンでゼロヨン最速を目指すハコスカとのマッチングはいかに!?
【画像26枚】ハンドソーで干渉部分をカット。ちなみにハコスカへの搭載にあたりケースが加工されたのはこの部分だけだレーシングパーツとなるOS‐FR7は、搭載にはそれ相応の技術がいる。実際に作業を手がけたプロショップナカガワの中川英明さんも、「装着には、ギアボックス本体以外ほぼすべてのパーツの加工・製作作業の連続。専用のベルハウジングが用意されたモデル以外は、海外メーカーなどの汎用ギアボックスと同じように、完全ワンオフ対応やね」と話す。
これまで前例のないOS‐FR7のハコスカへの搭載にあたり、中川さんが挙げた課題は、①ベルハウジング。②ミッションマウントの製作。③プロペラシャフトの製作と取り付け。④シフトレバーの支点の位置とその支持方法。⑤スピードメーターのパルス信号の取り出し方法といった5項目。これに作業の過程で見えてくる、さまざまな問題への対応が加わる。
>>ミッショントンネルのシフトスペースを拡大
純正ミッションとは違い、リンケージでシフトレバーを操作する仕様になるので、ギアボックスからのレバーの位置まで開口部を広げていくことになる。まずはカットする位置のマーキングを行う。
>>エアーソーで、マーキングに沿ってミッショントンネルを慎重にカット。シフトの取り付けホールを、幅、長さともに必要量広げる。
>>拡大されたシフトの取り付けスペース。今後、この開口部はシフトリンケージにアクセスするためのサービスホールとして使われる。もちろん、カットした部分の処理も行われる。
>>OS-FR7のケースも加工
ミッショントンネルとの干渉部分を切除する。OS-FR7のおにぎり形のケース形状は、ハコスカのミッショントンネルの形状にほぼドンピシャ! FD3S用に設けられたブラケットが唯一の干渉部分だった。
>>クラッチはオフセットタイプ
OS技研のクラッチは、オフセットフライホールとの組み合わせでクランクの「ケツ切り加工」以上の効果が得られるシステムだ。
>>クラッチ操作はダイレクトレリーズにて行う。オフセットタイプのクラッチをセットするため、30㎜のカラースペーサを装着して調整する。
【すべての画像を見る】【3】へ続く初出:ノスタルジックスピード年2020月3号 vol.23
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
EPOCH TUNE-UP 車と最新技術の融合(全5記事)関連記事:
EPOCH TUNE-UP 車と最新技術の融合関連記事:
日産