「天才タマゴ」エスティマはこの年のモーターショーから始まった! ランクルも80へ|第28回 東京モーターショー1989 トヨタ編【3】

AW11に続く第2世代のMR2は、ショー直前にベールを脱いだ。エンジンは1.5Lと1.6Lだったが、SW20系は2Lの3S-G系の直列4気筒DOHCとなっている。セリカGT-FOURと同じ3S-GTEU型DOHCターボも用意された。もう1台はユニークなガルウイングドアを採用したセラだ。展示車は最終プロトタイプで、限りなく市販車に近い。両車ともセンセーションを巻き起こした

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新世代の高級車・セルシオはあらゆる先進テクノロジーを取り入れ先見性をアピール。ショーカーでは4500GTが注目を浴びた。個性的なルックスの反面、走行性能が秀でている6速MTスポーツカーだ。

【第28回 東京モーターショー1989 トヨタ編 vol.3】
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 87年のショーにAXV‐Ⅲの名で参考出品されたキュートなコンパクトクーペは、「セラ」と名を変えた発展型をお披露目している。前方に大きく開くガルウイングドアと開放的なグラッシーキャビンは変わっていないが、インテリアはかなり現実的なデザインだ。パワーユニットは1.5Lの3E型直列4気筒DOHCだと発表された。翌90年3月に正式発表され、話題を巻いたことはご存じだろう。

 セラの隣に並べられたのはショー直前にベールを脱いだ2代目のトヨタMR2、SW20である。ミッドシップ方式のスポーツクーペで、初代からリトラクタブルヘッドライトを受け継いだ。だが、パワーユニットは2Lの3S-G系直列4気筒DOHCとなり、インタークーラー付きターボも設定する。

 だが、MR2以上に脚光を浴びていたのが、カリフォルニアのキャルティでデザインしたスタイリッシュなミニバン、プレビアだ。2.4Lエンジンをアンダーフロア・ミッドシップに搭載した力作で、ショーには北米向けの左ハンドル車を持ち込んでいる。90年5月にエスティマの名で発売され、ミニバンブームの火付け役となった。


>> トヨタ ランドクルーザー80|トヨタで最も長い歴史を誇るランドクルーザーは、1989年10月にロングボディの60系が80系にバトンタッチ。ワゴンも第2世代になり、快適性も大幅に高められた。2トーンのボディカラーも似合う

 商用車館に展示されたクルマも見ごたえがあった。ランドクルーザーは9年ぶりにモデルチェンジを敢行。ロングボディの60系は乗用車感覚を強く打ち出した80系になる。ワゴンが積むのは4Lの直列6気筒OHVエンジンだ。ショートボディの70系は2ドアだったが、ショーでは4ドアモデルをお披露目した。ランクルだけではない。このショーには94年にセンセーションを巻き起こすRAV4のプロトタイプ、RAV-FOURも出品されていたのだ。

【画像8枚】トヨタ・エスティマの祖先は、この年のモーターショーで展示されたプレビアである。「天才たまご」というキャッチフレーズのもと、丸みを帯びたファミリーカーで注目を浴びた





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第28回 東京モーターショー1989 トヨタ編(全3記事)
初出:ハチマルヒーロー 2017年9月号 Vol.43

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
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TEXT:HIDEAKI KATAOKA/片岡英明 PHOTO:JAMA/一般社団法人 日本自動車工業会

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