【第28回 東京モーターショー1989 トヨタ編 vol.1】
年号が昭和から平成に変わった1989年、自動車業界を取り巻く環境は大きく変わった。税制改革によって物品税は撤廃され、これに代わるものとして消費税が導入されている。物品税はぜいたく品に課せられる税で、自動車もその対象だった。3ナンバーの普通乗用車は23%、5ナンバーの小型車でも18.5%の重税だ。消費税になり税率は3%に引き下げられた。税制改革によりビッグカーの時代が到来する。
全ての画像を見る また、東京モーターショーの会場も変わった。89年の第28回ショーから、千葉県千葉市に新設された日本コンベンションセンター(幕張メッセ)で開催されるのである。慣れ親しんだ東京・晴海の国際貿易センターより床面積は1.5倍も広く、総面積は17万3820㎡だ。しかも日本車と輸入車が同じフロアに展示され、名実ともに世界に誇る国際ショーへと成長を遂げている。会期は前回と同じ12日間だ。
>> 第28回 東京モーターショー1989
第28回東京モーターショーは、今振り返っても歴史に残るヴィンテージイヤーである。バブルの絶頂期だったこともあり、新車が豊作の年だった。今に語り継がれる名車が数多く登場している。日本を代表する自動車メーカー、トヨタも力の入った展示を行った。ローバーやボルボ、プジョーなどがトヨタのまわりに展示ブースを構えたが、ヨーロッパの名門メーカーを圧倒する華やかな展示を披露している。新技術の展示でも横綱の貫禄を見せた。
【画像8枚】トヨタで最も長い歴史を誇るランドクルーザーは、89年10月にロングボディの60系が80系にバトンタッチ。ワゴンも第2世代になり、快適性も大幅に高められた>> トヨタ89C-V|トヨタは88年からワークス体制でル・マン24時間レースなどの耐久レースに挑むようになった。88C-Vに続くグループCカーが89C-Vで、3.2LのV型8気筒DOHCエンジンにターボを組み合わせている。
【2】へ続く第28回 東京モーターショー1989 トヨタ編(全3記事)初出:ハチマルヒーロー 2017年9月号 Vol.43
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
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