ハチマル感あふれるナイト2000! ステアリングやコクピット内のスイッチ、ナビの音声までも声優公認|1991年式 ポンティアック ファイアーバード トランザム【2】

ルーフに並ぶスイッチ類は、劇中では主にテレビ電話の起動に用いられていた。

【1】から続く

アメリカ発の迫力カーアクションが展開されるドラマ「ナイトライダー」。その主役となったクルマは人工知能を備えたスペシャルマシン、ナイト2000だ。自動運転や衝突回避装置などの荒唐無稽に思われたギミックは現代のテクノロジーと不思議なほど符号している。

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そんな幼き頃見たナイトライダーの世界観にほれこみ、ナイト2000のレプリカを大事に維持しているのがポンティアック・ファイアーバードのオーナーだ。実際の年式は91年式だが、劇中で使用された82~86年式の仕様へとモディファイされている。

ナイト2000たるアイコンであるジョイスティック状のステアリングと、各種インジケーターとスイッチがこれでもかと並ぶインテリアはハチマル感あふれるナイ2000そのもの。厳密にいえばシーズン毎に微妙に変化している内装なのだが、どの世代をめざしレプリカしていくかの模索も楽しい作業と断言する。

フロントマスクに流れるインジケーターも完ぺきに再現。ナビやセキュリティは声優公認のアイテムをチョイスし、車内に流れる声優・野島昭生さんによる音声が、気分をマイケルにしてくれる。

ナイトライダーがリアルタイムでオンエアされてから35年。じつは現地アメリカでもドラマファンによる大規模イベントが定期的に開催されるなど、その熱は冷めることなく連綿と続いている。

レプリカ化するパーツがキット販売されているのもアメリカらしい文化を感じる点だが、光源にLEDを使うなど進化した新製品が現在でもリリースされ続けているという事実にも驚きだ。近年ではスマートフォンの音声アシスタント機能をアレンジし、会話がきちんと成り立つ仕様を作ったファンもいるらしい。
【画像14枚】ホイールはノーマルは215/60R16だが、劇中車両に忠実に82〜86年式だけが履いていた235/60R15へインチダウン&サイズアップ。そのルックスからマニア間では「ボウリングホイール」と呼ばれている



>>インパネにノーマルの面影は皆無。ナイト2000化するキットを活用しレプリカ化している。難点はエアコン吹出口が存在しない点。



>>80年代のアメリカ車を象徴するのがブロックの頑丈さ。それを物語るようにエンジン本体のトラブルはない。バッテリーサイズは拡大してはいるものの、多くの電飾が負荷になるためオルタネーターは幾度も交換した。

主要諸元 SPECIFICATIONS
1991年式 ポンティアック ファイアーバード トランザム


全長×全幅×全高(mm) 4970×1845×1300
ホイールベース(mm) 2565
トレッド前/後(mm) 1545/1540
車両重量(kg) 1560
エンジン型式 4A型
エンジン種類 V型8気筒OHV
総排気量(cc) 4986
ボア×ストローク(mm) 94.9×88.4
圧縮比 9.1:1
最高出力(ps/rpm) 205/4200
最大トルク(kg-m/rpm) 39.4/4200
変速比 1速3.058/2速1.625/3速1.000/4速0.696/後退2.294
最終減速比 2.733
ステアリング ボールナット
サスペンション前/後  ストラット/コイル
ブレーキ前/後  ベンチレーテッドディスク/ドラム
タイヤ 235/60R15(前後とも)
発表当時価格 443.0万円

【3】へ続く

1991年式 ポンティアック ファイアーバード トランザム(全3記事)
初出:ハチマルヒーロー 2017年9月号 Vol.43

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
関連記事:ポンティアック

TEXT:KIYOSHI HATAZAWA/畑澤清志 PHOTO:MAKOTO INOUE/井上誠

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