祝マツダ100周年! 記憶と記録に残る1台 通算100勝をあげたロータリーロケット 1973年式 マツダ サバンナGT 1

1973年6月の大がかりなマイナーチェンジにより、最も知られている「とんがりノーズ」が採用され、精悍なフロントマスクとなった。また、75年にはフロントエプロンがエアダム形状に変更された。石渡さんのRX-3には、購入当初からフロントスポイラーが装着されていた。ボディは下回りをはじめフルレストア済みで、ボディカラーは純正のビートブラック。

マツダ100周年

あの日の100勝の記録とともに走り続ける1台のストーリー

コスモスポーツ、ファミリア、ルーチェ、カペラに次ぐ、ロータリーエンジン搭載車として開発されたのがサバンナ。1971年のデビューと同時にTS仕様のテストが開始され、10月の富士にワークスカーが3台参戦し、4位に入賞。11月の鈴鹿ゴールデントロフィーレースでは総合4位、クラス2位。そして迎えた72年2月の富士TT500マイルではスカイラインGT-Rの50連勝をはばみ、総合優勝を獲得。73年3月にはTS認定が完了し、5月の日本グランプリでは、圧倒的な強さをみせ、ワークスGT-Rを破って表彰台を独占。この後、78年までに100勝を達成するという偉業を成し遂げた。

 レースでの活躍は販売のほうも後押しし、サバンナは好調なセールスを記録していた。今回紹介するサバンナGTのオーナー石渡清さんも、当時、サバンナの高性能さと硬派なスタイルが気に入り、17歳で購入し、意気揚々、走り回った経験を持つ。しかも、購入から2年ちょっとでツブしてしまったという苦い思い出があるとのこと。

 そんな石渡さんがもう一度サバンナに乗るきっかけになったのが、今から14年前の40歳の頃。「いつかはレースに出よう」と思っていたらしいが、これ以上歳をとってしまうと走れなくなるという思いから、カートに挑戦。ところが、サスペンションを持たないカートは予想以上にハードだったため、カラダがもたないと感じ、ハコのレースに挑戦することになる。その時に選んだベース車が、思い出のサバンナだった。


73年のマイナーチェンジによって中央が突出したデザインとなったフロントマスク。ラジエーターグリルのハニカムもワイドになっている。本来は中央にロータリー型のエンブレムが装着されるが、「mazda」ロゴが入る75年仕様になっている。



ホイールはハヤシレーシングの13インチを装着。フロントが7J、リアが7.5J。タイヤはファルケンZIEXで、サイズはフロントが185/60R13、リアが205/60R13。



クーペボディの場合、Cピラーの付け根にグレードを表すエンブレムが装着される。



右テールレンズの下には、5速MTを表すエンブレムが付く。



左右のテールレンズの間には、RE12A型エンジン搭載をアピールするエンブレムを装着。


ノスタルジックヒーロー Vol.196 2019年12月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Isao Yatsui/谷井 功

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