1年4ヶ月という短期間の生産だった「ジャパンターボ」|1981年式 日産 スカイライン HT 2000ターボ GT-E・Sタイプ【3】

マイナーチェンジで外装同様にインパネの意匠も変更。SおよびXタイプは革巻き風ツインスポークステアリングを装備

       
【2】から続く

【特集ジャパン 1981年式 日産 スカイライン HT 2000ターボ GT-E・Sタイプ vol.3】

ジャパンにターボモデルが追加されたのは80年4月で、R30へのフルモデルチェンジが81年8月。つまり、1年4カ月という短期間しか生産されていなかったということ。とはいえ「ジャパンターボ」のイメージはファンの心に強く残っており、それほどインパクトの大きなモデルだったのだ。

オーナーは、映画「栄光への5000キロ」の影響を受け、510ブルーバードを購入しようとしていた。しかし、希望に合った個体が見つからず諦めかけていたところ、知人の紹介でこのジャパンに遭遇。ジャパンには特別な思い入れがなかったオーナーだったが、驚くほどいいコンディションとフルオリジナルということが気に入り、愛車として迎え入れることにした。

こうして510ブルーバードの代わりにジャパンを手に入れたオーナーだったが、いろいろと調べていくうちにジャパンへの思いが強くなり、今ではかけがえのない存在にまでなった。また、信頼の置ける整備工場に出合ったことも大きなプラスで、安心して旧車ライフを楽しめているという。なお現在は、純正ホイールとリアコンビランプをレストア中。今後はオリジナルのまま、いいコンディションをキープして行くことに努めるそうだ。

【画像19枚】短期間の生産ながら大きなインパクトを残した「ジャパンターボ」。オーナーにとってもかけがえのない存在に


>>Sタイプのシートは、ジャージー地の専用デザイン。ヘッドレストの角度調整も可能だ。ちなみにこの個体は、サイドのレザー部分が劣化してきたため補修した。


>>メーターのデザインも、前期とは異なる。


>>取材車両のトランスミッションは5速MTだが、このほかに日本で初めてターボエンジンと組み合わされた3速ATの日産マチックも用意されていた。


OWNER’S VOICE

当時の販促グッズだったロゴ入りトレーを手に、写真に収まるオーナー。右はジャパンの主治医である小嶋自動車修理工場の方で、彼のおかげで安心のカーライフを送れているという。そして「現代のクルマにはない味があるんです。手に入れて良かったですね」と、語った。



1981年式 スカイライン HT 2000ターボ GT-E・Sタイプ(GC211)


全長4600mm
全幅1625mm
全高1375mm
ホイールベース2615mm
トレッド前/後1370/1355mm
車両重量1230kg
エンジン型式L20ET型
エンジン種類直列6気筒SOHCターボ
総排気量1998cc
ボア×ストローク78.0×69.7mm
圧縮比7.6:1
最高出力145/5600ps/rpm
最大トルク21.0/3200kg-m/rpm
変速比1速3.592/2速2.246/3速1.415/4速1.000/5速0.813/後退3.657・最終減速比4.111
ステアリング形式ボールナット
サスペンション前/後ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後ディスク/ディスク
タイヤ185/70R14(前後とも)
発売当時価格185.2万円


【1】【2】から続く


初出:ノスタルジックヒーロー2018年10月号 Vol.189
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1981年式 日産 スカイライン HT 2000ターボ GT-E・Sタイプ(全3記事)

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text: Rino Creative/リノクリエイティブ photo: Takashi Akamatsu/赤松 孝

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