「ターボなくしてGTの名は語れません」スカイラインシリーズ初のターボモデルの登場!|1981年式 日産 スカイライン HT 2000ターボ GT-E・Sタイプ【2】

1979年のマイナーチェンジでリアの意匠も変更。ボディサイドのストライプや「2000GT TURBO」ステッカーはオプション品

       
【1】から続く

【特集ジャパン 1981年式 日産 スカイライン HT 2000ターボ GT-E・Sタイプ vol.2】

80年4月、ジャパンに大きな転機が訪れた。それがスカイラインシリーズ初のターボモデルの登場だ。430セドリック/グロリア、910ブルーバードに次ぐ日産車第3弾のターボモデルで、搭載されるエンジンはセドリック/グロリアと同じL20ET型。

インジェクション仕様のL20E型にギャレット社製のターボチャージャーをドッキングし、145ps/21.0kg‐mのパワー&トルクを発揮。5名乗車時で、0‐400m加速16.6秒、0‐100km/h加速10.5秒という圧倒的な動力性能を達成。

その一方で、ターボエンジンの宿命とされるターボラグを解消し、ツーリングサルーンにふさわしい滑らかなフィーリングも実現した。また、トランスミッションは5速MTのほか、3速ATも設定。ターボエンジンとATの組み合わせは、国産車初だった。

ターボという飛び道具を手に入れたジャパンは、「夢のスカGターボ登場」というキャッチコピーと、「ターボなくしてGTの名は語れません」というフレーズでセリカにリベンジしたのだった。また、「高性能」だけではなく、「省燃費」「低公害」といった文字がカタログに並べられており、当時の時代背景を表していた。

【画像19枚】「ターボなくしてGTの名は語れません」というフレーズで、ライバルであった「名ばかりのGT達は、道を開ける」セリカにリベンジ


>>レーシングマシンR383の開発で学んだターボの技術を惜しみなく注入したL20ET型。ターボが効き始める2100rpmからレブリミットの5600rpmまで、スムーズに加速していく。


>>L20ET型は、ただ単にターボを装着しただけでなく、マイコンやノックセンサーにより高性能と省燃費を両立した。


>>ドッキングされるギャレット・エアリサーチ社製のターボチャージャーは、エンジンルーム助手席側に配置されている。



1981年式 スカイライン HT 2000ターボ GT-E・Sタイプ(GC211)


全長4600mm
全幅1625mm
全高1375mm
ホイールベース2615mm
トレッド前/後1370/1355mm
車両重量1230kg
エンジン型式L20ET型
エンジン種類直列6気筒SOHCターボ
総排気量1998cc
ボア×ストローク78.0×69.7mm
圧縮比7.6:1
最高出力145/5600ps/rpm
最大トルク21.0/3200kg-m/rpm
変速比1速3.592/2速2.246/3速1.415/4速1.000/5速0.813/後退3.657・最終減速比4.111
ステアリング形式ボールナット
サスペンション前/後ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後ディスク/ディスク
タイヤ185/70R14(前後とも)
発売当時価格185.2万円


【3】へ続く


初出:ノスタルジックヒーロー2018年10月号 Vol.189
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1981年式 日産 スカイライン HT 2000ターボ GT-E・Sタイプ(全3記事)

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text: Rino Creative/リノクリエイティブ photo: Takashi Akamatsu/赤松 孝

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