希少な当時モノの純正ヘッドライトカバーやマットガードなども装備。オリジナルさながらの「オーラ」を醸し出す|1970年式ダットサン240Z【2】

横田/大木組がランスからモンテカルロまで、実に3200㎞以上を過ごしたコックピット。スパルタンながら、実は意外に快適でもある

       
【1】から続く

「光陰矢の如し」とは、よく言ったもの。昨年2月「伊香保おもちゃと人形自動車博物館」館長、横田正弘さんとともにモンテカルロ・ラリーのクラシック版「ラリー・モンテカルロ・ヒストリーク2018」の興奮と感動を共有してから、あっという間に1年の月日が経過してしまったことになる。

【Zの名を残す者 1970年式 ダットサン 240Z vol.2】

ベースとなったのは、同じく横田館長が2015年の北米「グレートレース」にて完走を果たした際に搭乗した240Zである。エンジンなどの機関部は厳しい自然状況に対応できるよう、ほぼノーマルとされているものの、ボディは、往年の日産ワークスも使用していた、当時のフェアレディZ純正の赤でペイント。また、横田館長が長年培ってきた人脈に加えて、当代最新のSNSもフルに活用して収集した、希少な当時モノの純正ヘッドライトカバーやマットガードなども装備され、オリジナルのモンテ240Zさながらの「オーラ」を感じさせるのだ。

そして、その走りもまたオーラに満ちたものだったと言えるだろう。モンテカルロにおけるゴールセレモニーを終え、横田館長から日本への車両送り出しを依頼されたエンジニア、人見俊一さんとともに港町マルセイユの保税倉庫まで陸送する際には、筆者自身も240Zのステアリングを握ってフランスの高速道「オートルート」やマルセイユ市街をドライブさせる機会に恵まれたのだが、それは控えめに言っても感動的な体験となった。

【画像15枚】マットガードは貴重な当時モノの純正パーツを使用。リア補助灯も、当時のモンテ出場車に準じたものが装着されているという



>>左右のバケットシートは、厳密にはオリジナルのモンテ240Zとは異なるものだが、安全性や長距離での疲労対策を意識した選択とのことだ。

>>ラリー競技では必須のラリーメーターは当時のスペックものが要求されるが、電子計算機と併用もできるようだ



>>出発地「REIMS」やスポンサー「LE CASINO MONTE-CARLO」などの主催者発行ステッカーで、格段にモンテ気分の高まる外観。


1970年式 ダットサン240Z(HLS30)


全長4136mm
全幅1630mm
全高1286mm
ホイールベース2305mm
トレッド前/後1356/1347mm
最低地上高165mm
室内長820mm
室内幅1390mm
室内高1075mm
車両重量1066kg
乗車定員2名
最高速度205km/h
エンジン型式L24型
エンジン種類水冷直列6気筒SOHC
総排気量2393cc
ボア×ストローク83.0×73.7mm
圧縮比9.13:1
最高出力151ps/5600rpm
最大トルク20.1㎏-m/4400rpm
変速比1速3.59/2速2.25/3速1.42/4速1.000/後退3.66
最終減速比3.36
燃料タンク容量65L
ステアリング形式ラックアンドピニオン
サスペンション前後とも独立懸架ストラット・コイル
ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ前後とも175HR-14
発売当時価格3526ドル


初出:ノスタルジックヒーロー 2019年4月号 Vol.192
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1970年式 ダットサン 240Z(全3記事)

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【2】へ続く

text:HiromiTakeda/武田公実 photo:Ryota Sto/佐藤亮太 Cooperation:伊香保おもちゃと人形 自動車博物館

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